あなたがもしトレーニングしていたとして、

「あなたはそのトレーニングでどれだけの力を発揮しましたか?」

と聞かれたら、あなたは答えることができますか?

単純に挙げたウェイトの重さを伝えてもよさそうですが、人により挙げるスピードも違うし、体格も違うし、どれだけの範囲でレップを重ねてるかも人それぞれなので、ちょっと正確性に欠けてしまいます。

では、数字で表すことは不可能なのでしょうか?

実は、物理学や力学などにからめて算出することができます。といっても僕もそんなに詳しいわけではないので、この記事では簡単な解説にとどめます。
まず、とは、ある重さの物体の速度をどれだけ変化させることができるかを表しています。

(式1)力=質量×加速度(単位時間当たりの速度変化)

そして、日常でよく聞くパワーですが、物理学では、パワーとは単位時間当たりの仕事量と定義されています。

ここでいう仕事とは、ある物体に加えた力と、力の作用方向に物体が移動した距離の積をいいます。

(式2)仕事=力×距離

 

(式3)パワー=仕事÷時間

パワーは、ほかにも、物体に加えられた力と力が作用した方向の物体の速度の積、あるいは、物体の速度と物体が移動した方向の物体に作用した力の積としても算出されたりします。

すでに式が3つ出ましたが、それぞれの時間や距離を統一しておかないと、せっかくの計算式も役に立ちません。例えば、国がそれぞれ別々のお金を使っている状態では、それぞれの価値がわからず、取引できないので、なにか統一された基準が必要になります。

お金でいえば、アメリカのドルですが、物理の世界?では、世界的基準として国際単位系(SI)というものが定められています。

SI単位では、それぞれ力はニュートン(N)、距離はメートル(m)、仕事はジュール(J=ニュートン×メートル(N・m))、時間は秒(s)、パワーはワット(W=ジュール÷秒(J/s))で表されます。

ウェイトトレーニングの仕事量は、ウェイトの重量とウェイトを挙上した垂直距離の積で求められ、これにはウェイト挙上時のウェイトの水平移動や速度の変化は関係ありません。

例として、100kgのバーベルを1m挙上する動作を10回繰り返したときの仕事量を算出してみましょう。

①バーベルの重量をSI単位のニュートン(N)で算出します。バーベルの質量(kg)に、国際的に定められている重力加速度9.8m/s2(正確には、9.80665m/s2)を掛けます。

重量=9.8m/s2(メートル毎秒毎秒)×100kg=980N

ちなみに、重力加速度は加速度の単位としても用いられる。この場合は大文字で G と書かれ、「ジー」と読みます。よく車に乗る人が「横Gがうんたらかんたら」とか言っていたり、飛行機で「すごいGがかかってる」みたいに、なんとなく聞いたことがあると思います。ちなみにちなみに、重力加速度と同じ加速度を 1.0G と表現します。

1.0 G = 9.806 65 m/s2

ちなみにちなみにちなみに、GはSI単位には含まれません。

ちょっと話が脱線しましたが、②式2をつかって、10回の動作の仕事量を算出します。

仕事=980N(力)×1m(距離)×10回=9800J

よって、100kgのバーベルを1m挙上する動作を10回繰り返した場合の仕事量は9800Jになります。

こうした仕事量の算出は、トレーニングの量の定量化に有用です。

フリーウェイトトレーニングに置いては、各個人の動作における床からのバーの高さの最高位置と最低位置を測り、最高値から最低値を引いてバーの垂直移動距離を算出することができます。ウェイトスタックマシン(フィットネスクラブ等でよく見かける、ウェイトが積み重なったマシン)の場合は、スタックの垂直移動距離を測定します。

さきほど出た100kgのウェイト1mの距離を10回挙上の例で、その動作の所要時間が40秒間だったなら、発揮された平均パワーは以下のようになります。式3を使って、

パワー=9800J÷40s=245W

上記の仕事やパワーの等式の説明は、物体の移動にあてはまります。物体が移動しなくても、物体に回転運動を開始させたり、その回転速度を変化させるときに、仕事やパワーが必要です。

物体の回転角度を角変位といい、SI単位ではラジアン(rad)を用います。1rad=180度÷π=57.3度です。ここでπは3.14(円周率)です。

角速度は物体の回転スピードのことをいい、単位はrad/sです。

ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸のまわりの力のモーメントをトルクといいます。トルクの単位はN・mで仕事の単位と同じですが、トルクのmはモーメントアームの長さ(力の作用線と垂直)を表し、仕事の単位では力の作用線に沿っての移動距離を示すものなので、距離と混同しないよう気をつけてください。

物体が移動する際と同じく、物体の回転運動における仕事の単位はJ、パワーはWで表され、回転運動の仕事は以下の式によって求められます。

(式4)仕事=トルク×角変位

式3を使うことで、直線運動のパワーと同様、回転運動のパワーも算出することができます。

普段、この記事のように数字で出すことはあまりしないでしょうが、各用語の定義を知っておくと、少し難しい専門書があっても読みやすくなるんやないでしょうか?



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