人からトレーニングの話を聞くと、たまに、「腹筋を150回やった」みたいな、回数の多さを自慢されることがあります。また、逆に「その体やったら腕立てくらい100回余裕やろ?」と聞かれたりもします。それに対して、僕は「腹筋をたくさんやることが目的なの?」「全然余裕やないよ、だいたい15回くらい(泣)」と返します。

というのは、数多く動作することが目的ならば、上記の腹筋150回や腕立て100回は理に適っていますが、筋肥大や筋力アップが目的であれば、効率の悪いやりかたになっていると言わざるを得ないからです。

効果的なトレーニングを行うためには、トレーニング原則に従って行う必要があります(参照『トレーニング原則』)。この原則の中で、「過負荷の原則」というものがあります。これは、筋肉を鍛えるなら、少しきついと感じる程度の負荷(過負荷)を筋肉に与えなければならないとする原則です。

なので、筋肉を鍛えようとするならば、100回腕立てを余裕でできる人にとって、腕立てという負荷は過負荷になっておらず、効率的なトレーニングではないということになります。一般的に、筋肥大を目的とする場合、おもりを10回持ち上げてもあと2回は持ち上げられる力、つまり、筋肉が最大出せる力の70%~80%くらいの負荷を与えるべきとされています。

また、トレーニング原則には、ある特定の効果を得ようとするならば、特定の方法を用いなければならないとする原則(特異性の原則)があります。腹筋150回というトレーニングは、腹筋をとにかく持続的に動かすということを目的にしているなら問題ないのですが、たとえば、ボクサーが打撃に耐えうる腹部を作り上げることを目的としている場合は、効率のいいトレーニングではないかもしれません。腹部にパンチのような衝撃を与え、それに耐えるようなトレーニングが特異性の原則からは導かれるでしょう。

もし、トレーニングを「回数が多ければいい」と考えていて、自分の望む効果が得られてないならば、一度、目的と手段を考え直してみたほうがいいかもしれませんね。



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