今回は、意外と人気がある開脚の練習法を動画に撮りました。
一時期流行ったようで、本もたくさん出版されていましたし、YouTubeでも、開脚に関する動画がよく見られます。
僕もYouTubeで動画をアップしている者のはしくれとして、動画をいろいろ見て勉強しています。
「その割に一向に上達しないやないか」みたいなクレームは受け付けません(笑)
トレーニングに関するものが多いのですが、トレーニングに限らず、いろんな種類のものを見るようにしています。
個人的に結構おもしろいなと思うのは、物理エンジンを使った動画です。
エレベーターがもし落下しても、タイミングよくジャンプすれば無傷で済むと思っていた時代が僕にも確かにありました(笑)
物理エンジンっていうのは、現実世界ではありえない力でも、数字を打ち込むことでシミュレートしてくれるソフトみたいなものです。
それで、誰もが不思議に思うことや漫画の世界なんかを実際の物理の世界でやったらどうなるかみたいな感じでシミュレートして、それをおもしろおかしく動画にしてくれています。
もし気になったら見てみてください。
さて、話が反れてしまいましたが、本題に戻して、冒頭にあるように、開脚に関する動画は数多くアップされています。
ただ、見てみるとその多くが、バレエや体操経験者といったように、物心つく頃にはすでに人並み以上の柔軟性があったであろう人たちがつくっているんですね。
そういう人たちは、確実に180度以上パックリ開脚しますし、可動域に余裕があるので動き自体が綺麗です。
そんな人たちが作っている動画なので、内容を見ても、「それは身体が固い人には無理があるわあ」なんて方法があったりします。
そういう動画のコメントを見ても、
「そもそもそれができないから困っているんです」
みたいなコメントが散見されます。
もしかしたら、動画自体がそもそもある程度開脚できる人に向けてつくっているのかもしれませんが、個人的には、動画での話ぶりを見ているとそうは思えないんですよね。
おそらく、本気で初心者の身体が固い人向けにつくってると思います。
体操やバレエをやっている人は、人並み以上の柔軟性を得るために、幼少のころから拷問のような股わりを行っていたりするので、「これくらいなら初心者でもできるやろ」みたいな感じで作っているんだと思います。
身体が本気で固い人たちが、どのくらい固いかなかなか想像できないんですよね。
仕方ないことですが。
まるで国民の現状をあまり理解できていない政治家のようです。
そんな開脚動画の現状を見て、本当に身体の固い人でもできる開脚の動画の練習法をアップすることを決め、今回のアップに至りました。
僕自身、身体はもともとガッチガチに固くて、ストレッチが習慣づいたのが20代の半ばくらいからです。
動画にもある通り、今でも開脚は180度できません。
ただ、そんな僕だからこそ、本当に身体の固い人に寄り添った方法を提案できているのではないかと思います。
僕のお客さんで、固くて開脚どころではないという人でも、半年くらいで開脚して肘がつけるかつけられないかまで柔軟性が向上した人がいます。
その人に実際にお伝えしていた方法を抜粋したものなので、本当に固い人でも有効である可能性が高いものだと思います。
動画でもお話していますが、開脚のストレッチのポイントは、
「自分の体重が利用できるかどうか」です。
これは、以前柔軟性向上のためのストレッチのコツみたいな感じで記事にしたことがあります。
動画でもあったかな。
ありました。
体重さえ利用できれば、あとは時間をかけて伸ばしていけば、そこそこ身体は柔らかくなります。
ストレッチに挑戦しても柔らかくならないのには、体重が利用できずに「勢い」をつけて行ってしまうことにあります。
勢いをつけるということは、どうしても「力み」が入るうえに、負荷がコントロールしづらいということもあります。
コントロールしづらいというのは、もし、負荷がかかりすぎて痛くなったときに、すぐに対処することができないということです。
動画の中で、立って前屈をする方法がありますが、これは、手で支えているため、もし前屈しすぎて痛みが生じれば、少し手で台を押すだけで、負荷を少なくすることができるんですね。
そうすると、常に適切な負荷をかけ続けることができます。
また、勢いをつけることで、筋紡錘の機能を発動させてしまう可能性があります。
筋紡錘は筋肉を縮めてしまう作用があります。
そうではなく、ゴルジ腱器官の作用を生じさせることで、柔軟性が向上します。
筋肉と骨を繋ぐ、伸び縮みがあまり得意でない腱の中にあるゴルジ腱器官に、張力を伝えるためには、ある程度の強さのストレッチが必要です。
よく「痛気持ちいいくらいの伸び具合」と表現されるのは、このゴルジ腱器官を働かせるために必要な張力を表現したものなのでしょう。
静かに長時間伸ばしたほうが、筋紡錘も働きづらいし、ゴルジ腱器官に張力が届く可能性が高くなります。
動画で30秒以上伸ばすと言っているのはそのためです。
僕自身は平気で5分以上同じ場所を伸ばしたりすることがあります。
ただ、あまり同じ体勢だと、同じところが圧迫されて血流が滞り、しびれ(正座の後のようなしびれ)が起こったりするので、
そんなことをいいつつ、ちなみに話で、開脚して骨盤が立てられるようになってきたら個人的におすすめなのが、ちゃぶ台を前に開脚しながらご飯を食べることです。
あまり行儀が良くないので、大きな声でおすすめはしにくいですが、柔軟性を高めるという意味ではおすすめです。
ご飯を食べながらなので、痛みから気が反らせることができるメリットがあります。
以前、イチローがキャッチボールをするときに、わざと誰かとしゃべりながら行い、「知らない間にこんなにやっちゃった状態」にするという、気を反らして練習量を増やす方法を行っているのをテレビで見て、それを僕も取り入れるようにしています。
どこを伸ばしているかという感覚がわかるのであれば、別に伸びている筋肉を意識するために集中してなんてことはしなくても良いです。
それができるならば、テレビやラジオを「聞きながら」というのはおすすめの方法です。
ただしテレビを「見よう」とするのは考えものです。
目線をテレビに向けるために、ストレッチのために頭の重さが利用できなかったり、首の筋肉に大きな負担がかかる場合があります。
かなり余計な話もしてしまいましたが、開脚を通して、僕が実感してほしいのは、動画の最後のほうでもお伝えしているように、柔軟性向上による姿勢の変化です。
もともと身体が固い人が柔らかくなるというのは、手錠をされて人質にとられていた状態から助け(ストレッチ)が入って、手錠を外して解放されるくらい関節の自由度が増します。
また、股関節は本来球関節という可動域の大きい関節です。
なので、身体が柔らかくなるだけで、良い姿勢になります。
ぜひ、足裏の感覚は比較してみてください。