姿勢は全身の筋肉がバランスよく機能することが重要であることはいうまでもないでしょう。

ただ、この「バランスよく」というのは、全ての筋肉が同じだけの負荷を耐えながらという意味ではありません

筋肉の大きさは1つ1つ違うことから出せる力も変わるので、当然のことといえば当然なのですが、今回の記事で言いたいのは筋肉の大きさの違いではありません。

今回の記事では、タイトルの通り、姿勢を保つために身体を反らせる筋肉が大きな役割を果たしていることをお伝えしたいのです。

このことを理解すると、腰の負担を軽減するために何をすべきかの選択肢が増えるでしょう。

では、なぜ身体を反らせる筋肉がポイントになるのでしょうか?

これは、身体の構造をよくみてもらうとわかります。

画像は立位状態を横から見た図です。

青い四角の枠は全身を囲う枠です。赤線は柱となる骨を貫くように引いています。

骨は身体の構成の中で、柱の役割を果たしている構造物です。

画像を見てもらうとわかるのですが、その柱は身体の少し後方に位置しています。

まず、足の骨の後方に脛の骨が積み上がっています。その上に太ももの骨、そして骨盤が積み上がっています。そして、骨盤の後方から体幹部の後方を背骨が通っており、頭部の後方に向かって伸びています。

これが、人間の立っている状態での大黒柱になります。

この大黒柱より前に内臓が位置しているので、もし、筋肉によるバランス維持がなくなれば、前に崩れやすいのは容易に想像できるとおもいます。

だからこそ、柱が前に崩れる(身体が丸まる)のを防ぐために身体を反らす筋肉がポイントになるのです。

身体を反らす筋肉は、主に、首の後ろのある筋肉、上背部の筋肉、下背部の筋肉、臀部の筋肉です。

参考記事<【動画あり】身体を丸める4つの部分と身体を反らす4つの部分〜前後バランスと負担配分〜

そして、身体を反らす筋肉の中でも1番使われやすいのは比較的強くて長い筋肉である脊柱起立筋群なのです。内臓が腹部から全下方に垂れ下がりやすい(ビール腹や妊婦さんのお腹をイメージしてください)ことから、それ重さを受け止めることで、腰部は特に受動的(自分の意思ではなく腹部の重さを支えるために勝手)に力が入りやすい部分になります。

そのため、腰痛に悩む人が多いんですね。特に、出てきたビール腹の人と妊娠中の女性は腰痛に悩みやすいのです。

では、腰部の負担を少なくするためにはどうすればいいでしょうか。

腹部の重さが変わらないとすれば、この重量物をできるだけ背骨に近づけることが負担を減らす方法の一つです。

よく腹筋を鍛えることが腰痛予防に効果的であることいわれています。ただし、これには条件があります。

わかりやすい腹筋である板チョコを形成する筋肉、腹直筋ではなく、腹部の深層の筋肉である腹横筋を強化する必要があるのです。

これは、腹直筋と腹横筋の性質の違いからわかります。

腹直筋は、主に胸の骨の下方と肋骨の下方(合わせて起始部)から恥骨(停止部)に向かって上下に伸びる筋肉です。筋肉の繊維方向は上下であることを考えると、身体を丸めることに強く働く筋肉になります。

身体を丸めてしまっては、背骨の積み方が崩れてしまって、腰部の反らす力をさらに要求することになってしまい、腰の補助をするどころか、かえって腰の負担を増やしかねません。

一方、腹横筋は、腹部をコルセットのように覆う筋肉であり、筋肉の繊維の方向は横方向、水平方向になります。それから考えられる腹横筋の機能はまさにコルセットのごとく腹部を絞り込むことにあります。

腹部が絞り込まれれば、腹部の重量が背骨に近づけられることになり、腰の負担を減らすことができます。

腹筋が腰痛改善にいいからときいて、よくある腹筋運動ばかりしていると、逆効果になる可能性もあるので気をつけてください。腹横筋の強化をするならば、お腹を凹ませる練習をするといいでしょう。

以上のように腹横筋の強化も腰の負担軽減に効果はありますが、他にも腰の負担を軽減する方法はあります。

身体を反らす腰以外の筋肉に負担を分散するという方法です。とくに、背骨の土台であり、内臓の受け皿になる骨盤に強く関与する臀部の筋肉の強化は効果的です。

というのは、臀部の強化により、腰が担っている大黒柱を支えるという役割の負担を分散できますし、内臓の受け皿である骨盤を適正な状態にすることで、内臓が全下方に垂れ下がることを防げます。

よって、臀部を鍛えることでダブルで効果的なのです。

そのときの鍛え方は四つん這いの状態から片脚を後方に向かって伸ばす下の写真のようなトレーニングがいいでしょう。

赤丸(股関節)を中心に、脚を上下に動かすトレーニングです。臀部と太もものちょうど境目くらいに力が入るのが感じられるといいですね。

今回の記事についてはこれで以上ですが、最後に注意を。

腰痛の原因には様々あり、今回は反り腰になっている人にとっての改善案です。逆に腰が丸くて痛みが出ている人には、より適した方法が別にあるので注意してください。



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