足裏の感覚に慣れてくると、良い姿勢をとることが、さほど難しいことでなくなってきます。
ただ、車の運転に慣れてきた頃に交通事故を起こしやすいように、姿勢も慣れてくると、意識がそちらに向かなくなってきます。
本来は、悪い姿勢になったら違和感を感じるくらいまでは、足裏の感覚をしっかり脳になじませてたいところです。
靴下も、きちんと履かずに中途半端にかかとに引っかかり、「脱ぐのか履くのかはっきりせい」みたいな履き方だと違和感を感じませんか?
だらしないし違和感をなくすためにも、きちんと履き直しますよね。
足裏の感覚はそれくらい日常的な感覚に落とし込んでいくべきです。
しかし、そこまでまだ落とし込めていないにもかかわらず、慣れてきて「できてる」と思い込み、いつしか姿勢のことを完全に忘れ去り、足裏の感覚が変化しても気づかなくなってきます。
そこで、今回は良い姿勢を維持するためのトレーニングについてお伝えします。
今回のトレーニングは姿勢を保つのが普通に立っているより難しくなるので、より正確な骨の積み方をマスターできます。
具体的に何をするかというと、「つま先立ち」をするだけです。
普通に腰幅で立っている状態から、つま先立ちに移行するのですが、条件があります。
それは、つま先立ちをしていく際に、身体をできるだけ前に傾けないことです。
普段はかかとに荷重が乗っているはずなので、さすがに全く体重移動が起こらないというのは無理な話ですが、姿勢を保つことが目的なので、せめて顔の向き、目線が正面を向いたまま変わらないように保ってください。
そして、ゆっくりと一定のスピードでつま先立ちに移行し、1番高いところまでつま先立ちしたらそのまま3秒キープ。
グラグラせずにピタッと止まれるようにしましょう。
これを10回連続で行います。
最初はグラグラしたりしても、だんだん続けていくと、足首や足指の柔軟性も向上するし、骨の積み方もわかってくるし、股関節の安定のさせ方もわかってくるので、つま先立ちのときにピタッと安定するようになってきます。
最初、不安だったら何か台に手を添えながらでもいいでしょう。
毎日時間空いたときに10回やるようにして、良い骨の積み木の積み方を思い出すようにしてみてください。
つま先立ちの参考として、動画を用意しました。
つま先立ちトレーニングの3つ目、その場で足踏みするのは、意外と難しいです。
なので、これができたら、相当バランスが良い状態だと言えるでしょう。
「おわりに」で紹介している運動ですが、足首、足指、それぞれ、「何を止めるか」重要です。
身体を動かすためには、何を動かすかよりも、何を止めるかを考えることで、コントロールしやすくなります。
例えば動画では、足首を動かす上で、膝のお皿の位置が動かないように固定し、股関節の動きを殺し、足首本来の動作をするようにしています。
また、足指の動きでは、足首の動きを固定することで、足指自体の力をしっかり発揮させるようにしています。