コップを握ると小指が立ってしまう人がいるのはなぜなのか?
コップを握るとき、無意識に小指が立ってしまったりしませんか?
この小指が立ってしまうことは、心理的側面が指摘されたり、マナーだったり、香辛料を取るための名残だったりと、いろいろ言われているようです。
日本だけかもしれませんが、女性らしい仕草としてとらえることもありますね。
そんな小指が立ってしまうことは、実は、身体の構造・機能上から見ても、説明することができます。
これは、実際にコップを握り比べてもらうと、わかりやすいでしょう。
筒状のようなもので代用してもいいですが、できれば、通常のコップくらいの固さ、大きさがあるほうがいいでしょう。
いかがですか?
なにか違いが見えてきました?
わからない人は、手のひらの感覚に注目しながら、もう一度試して見ましょう。
どうですか?
よ〜〜〜〜〜く集中してやってみると、コップと手のひらの接着度が変わることにお気づきになるでしょうか?
本当にわずかな違いなのでわかりにくいかもしれませんが。。。
小指を立てたほうが、手とコップがより密着するのです。
密着するということは、それだけ摩擦力が働くということです。
そのため、小指を立てた場合は、摩擦力のおかげで、コップを握って落とさないようにするための握力の必要量が減るのです。
つまり、コップを持つのが楽だから、小指をついつい立ててしまうのです。
では、なぜ小指を離すとコップと手の接着度が上がるのでしょうか?
それは、手の構造から説明することができます。
コップを握る際は、それぞれの指が折れ曲がることによって握っています。
この指の曲がる方向が原因なのです。
とくに、親指以外の4指。
それぞれ見てみましょう。
見てもらうとわかるように、それぞれが、手のひらの中心に向かって折れ曲がっているのがわかります。
ということは、4本同時に折り曲げると、極端な例でいえば、各指が干渉しあってしまい、指が微妙にずれてしまうのです。
無意識に握ると、手の形が中指を中心に山なりになるのに合わせて、指も山なりになりやすいようです。
この山なりになることによって、コップと手との間にわずかに空間ができ、小指を立てないときの密着度が下がってしまうのです。
小指を立てることによって、山なりのカーブ部分が減って平(たいら)に近づき、コップとの密着度が上がるのです。
この点だけで見れば、人差し指を離すことによっても、密着度があがり、コップが握りやすくなります。
ただ、親指との力関係上、小指を離した方がコップの飲み口が口元から離れる力が少ないので、飲みやすいため、小指が自然と離れるのでしょう。
このことは、トレーニングにおいてダンベルやバーベルを握ることにも応用できそうです。
指を離すことは難しいかもしれませんが、どの指を中心に力を入れるかによって、手の摩擦力を活かし、握力をカバーできるでしょう。
ただ、握り方は、背中の力の入れやすさなど、他の部分との兼ね合いもあるので、慎重に吟味する必要はあります。