身体について

下腿三頭筋~第2の心臓と呼ばれることもあるふくらはぎの筋肉たち~

「下腿三頭筋」は腓腹筋(Gastrocnemius:内側頭(medial head)、外側頭(lateral head))とヒラメ筋(Soleus)の総称です。

「下腿」は膝から下の脚の部分のことを指し、腓腹筋の2つの頭とヒラメ筋を合わせて3頭あるので、そのような名前になっています。

ここでは下腿三頭筋を一緒に説明しますね。

下腿三頭筋

起始

・ヒラメ筋:腓骨頭と腓骨頸の後面、脛骨のヒラメ筋線およびこれと腓骨頭を結ぶ腱弓(=ヒラメ筋腱弓)
・腓腹筋:内側頭は大腿骨の内側上顆、外側頭は大腿骨外側上顆

停止

踵骨腱(アキレス腱)を介し踵骨隆起

作用

・距腿関節:底屈
・距骨下方の関節(距踵関節+距踵舟関節):内反(回外)
・膝関節:屈曲(腓腹筋)

神経支配

脛骨神経(S1、S2)

コメント

ヒラメ筋が膝関節を超えない単関節であるのに対し、腓腹筋は膝関節を超えて大腿骨に付着する多関節筋です。

そのため、腓腹筋は膝を曲げる作用があるのですが、膝関節を超えているのはそのためではなく、2足で立った時に大腿骨までの積み木を安定させるためだと思われます。

元々4足歩行仕様だった身体を2足に起こしているので、立っているということは、身体を「後方に反らしている」とも言えます。

そう考えると、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋は、二足になるために身体を反らすように働く最下端の筋肉になるわけです。

その負担と必要な力は相当なものであると考えられます。

そんな大役を担うために、下腿三頭筋は人体で最も強烈な腱、アキレス腱をともなっています。

アキレス腱が2足直立を支えるためにあるとしたら、おそらく他の動物と比較して大きくて太いものになっているはずです。

実際、チンパンジーやゴリラのアキレス腱は、長さが1cmほどしかありません。

それに、アキレス腱とつながる腓腹筋も薄いです。

それに比べると、ヒトのアキレス腱は通常10cm以上の長さがあって、非常に太いという特徴があります。

ヒトのアキレス腱は健常ならば1t近くの張力に耐えられるそうですよ。

 

ちなみに、アキレス腱の「アキレス」の由来は、ギリシア神話に出てくる英雄「アキレウス」のラテン語名からきています。

アキレウスは生まれて間もなく、母親が冥界の河に彼の全身を浸したことにより、不死身となりました。

ただ、母親が彼の踵をつかんでいたために、その部分を浸すことができず、唯一の急所となってしまったのです。

そして、戦争においてその唯一の弱点である踵を矢で射られて死んでしまうのです。

それが由来となって、踵にある腱を「アキレス腱」と呼ぶようになったそうです。

日常的にも「アキレス腱」は「致命的な弱点」のような意味で用いられてますよね。

 

ちょっと話が反れてしまいましたが、直立2足の人間において、臀筋と同様、発達したふくらはぎは人間の象徴ともいうべき存在です。

 

また、直立2足の弊害として挙げられるのが血液循環です。

直立2足だということは、4足のとき以上に、重力に逆らって血流を心臓のほうへ戻さなければ生きていけません。

その役割を担ってくれるのも実は下腿三頭筋だったりします。

下腿三頭筋が収縮と弛緩を繰り返すことによりポンプのように働き、静脈の血流を重力に逆らって上方へ戻しているのです。

だから第2の心臓と呼ばれるわけです。

 

下腿三頭筋を動かそう、鍛えようと思ったら、つま先を伸ばす、つまり足首の底屈をすることになります。

ただ、細かく腓腹筋とヒラメ筋を使い分けたいという場合は、膝を曲げるか伸ばすかできっちりではないですが、多少使い分けることができます。

腓腹筋は直立しているときに働きやすいように、張力がかかりやすいようになっているので、椅子に座りながらの底屈では、腓腹筋が緩んで張力が小さくなります。

加えて、ヒラメ筋は膝関節を超えないので、膝の曲げ伸ばしの状態に張力が左右されません。

なので、椅子に座りながら底屈するとヒラメ筋が使われやすくなるわけです。

 

話題を変えて、姿勢に関する話をすると、つま先に体重が乗りやすい人は、常に下腿三頭筋で底屈させるようにして身体を支えているということがよくあります。

そんな風にして常に下腿三頭筋を緊張させて固くなってくると、いざ足裏全体に体重を分布させたときに、身体が後方に傾きやすいです。

そして、バランスをとるために猫背になったりします。

身体の下部である、骨の積み木の方向性を左右する足首に関係しているので、姿勢を左右する筋肉といっても過言ではないくらいです。

下腿三頭筋は使われやすく固くなりやすいので、よくストレッチしておくようにしましょう。

 

最後に、ちなみになんですが、ヒラメ筋の「ヒラメ」は舌平目(sole)という魚に形が似ていることから由来しています。

ただこの舌平目はウシノシタ科で、実はヒラメ科ではないのです。

さらに、靴の中敷きのことをインソール(insole)と言いますが、これも足裏が舌平目の形に似ているからだそうですよ。

明日のちょっとした話題を彩るトリビアとして使えますね(古い)。

本質的な姿勢改善をするなら考え方から見直しましょう

記事を読んでいただいてありがとうございます。

僕は【身体と心を「楽」にして人生をより快適する】
ということをテーマに情報発信しています。

姿勢は、生まれてから死ぬまで365日24時間
ずっと関わることになるものです。

なので、その積み重ねの影響力は大きいものです。

姿勢次第で自分の身体に枷をかけ
身体の動きを抑え込んでしまったり
身体を痛めてしまうことがあれば、

意識せず自分自身を抑え込んでいる
枷から自分を解放し

身体を軽やかに痛みなく
思い通りに動かせることになります。

身体と心はつながっていて
不可分な関係なので、

身体の調子が悪ければ
心も当然暗くふさぎ込んで
しまうことになるし、

調子が良ければ明るく
前向きになってきます。

つまり、姿勢を改善することは、
最も簡単で確実な自己改善法なのです。

しかし、姿勢について学ぶ機会はほぼなく、
「なんとなくこうだろう」という
常識で固められてしまっています。

そのため、姿勢を良くしようと
努力しているにもかかわらず

姿勢が一向に良くならないという
状態になってしまっていることを
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根本から姿勢改善するためには、
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