身体について

内転筋群~2本の足でまっすぐ立つ、まっすぐ歩く~

太腿の脚痩せエクササイズでよく鍛える種目が挙げられる内腿の筋肉にあたるのが内転筋群です。

太腿を閉じるというのが主な働きです。

2足で立ったときに、脚を真下に伸ばした状態で維持するという重要な役割も果たしています。

内転筋群には、

恥骨筋(Pectineus)

長内転筋(Adductor longus)

短内転筋(Adductor brevis)

大内転筋(Adductor maguns)

小内転筋(Adductor minimus)

薄筋(Gracilis)

があります。


脚がどの方向にいっても元の位置(2足直立の状態)に戻せてこれるように、いろんな向きについてますね。

以下では内転筋群の各筋肉についてお伝えします。

恥骨筋(Pectineus)

起始

恥骨櫛(ちこつしつ)

停止

大腿骨の恥骨筋船、大腿骨粗面の近位部

作用

・股関節:内転、外旋、わずかな屈曲
・前頭面と矢状面における骨盤の安定

神経支配

大腿神経、閉鎖神経(L2、L3)

コメント

恥骨の前方から大腿骨の後面にかけて付着しているため、恥骨筋はまっすぐ立った状態だと大腿骨で後ろに引かれたような状態になっています。

なので、股関節0度(まっすぐ立っているの状態)からなら、わずかに股関節屈曲に働きます。

 

内転筋群の表層に位置しています。

長内転筋(Adductor longus)

起始

恥骨上枝と恥骨結合の前面

停止

大腿骨粗線中央1/3内側唇

作用

・股関節:内転、屈曲(70度まで)、伸展(屈曲位80度以上の時)
・前頭面と矢状面における骨盤の安定

神経支配

閉鎖神経(L2~L4)

コメント

付着としては恥骨筋とに似ていますが、付着箇所が違います。

恥骨筋より長内転筋のほうが大腿骨の下方に付着しており、線維の方向も垂直に近づいていて、さらに筋肉の長さも長いし大きいです。

そのため、股関節屈曲も恥骨筋より強く作用します。

深くお辞儀をするような姿勢のときにもっとも張力を発揮します。

 

また、長内転筋は股関節がどれくらい屈曲しているかにより、働きが変わります。

足を前に出せば後ろに引くような力が働き、足が後ろにいったときは足を前に出そうと働きます。

なので、歩行を助けるような働きをしてくれますね。

 

内転筋群の表層に位置しています。

短内転筋(Adductor brevis)

起始

恥骨下枝

停止

大腿骨粗線上部1/3内側唇

作用

・股関節:内転、屈曲(70度まで)、伸展(屈曲位80度以上の時)
・前頭面と矢状面における骨盤の安定

神経支配

閉鎖神経(L2~L3)

コメント

大腿骨の付着について長内転筋と距離に違いがありますが、付着の仕方によって、長内転筋と同じような作用をします。

内転筋群のややこしいのは、「長」「短」「大」「小」と大きさ長さからつけられた名前が揃っていることですね。

名前は憶えやすいのですが、どれがどれにあたるかが混乱してしまいがちです。

注意しましょう。

 

内転筋群の表層に位置しています。

大内転筋(Adductor maguns)

起始

恥骨下枝、坐骨枝、坐骨結節

停止

・深部(筋性の付着):粗面の内側唇
・浅部(腱性の付着):大腿骨の内側上顆(内転筋結節)

作用

・股関節:内転、外旋、わずかな屈曲(腱性の付着部によって股関節の内旋、浅部に内旋作用がある)
・前頭面と矢状面における骨盤の安定

神経支配

・深部:閉鎖神経(L2~L4)
・浅部:脛骨神経(L4)

コメント

内転筋群の中で、唯一坐骨に起始を持ちます。

そのおかげで付着に前後のズレが小さく、骨盤を安定させてくれます。

 

ただ、結構立体的な構造のようで、作用もわずかな屈曲とある場合があれば、伸展とされている場合もあるややこしい筋肉です。

大内転筋はよく見ると、4足の姿勢に適合していたためか、少しねじれがあるようで、どちらかというと屈曲に作用しやすいのではないかと予想されます。

それでも、力は強いでしょうが、大腿骨を大きく前後には動かすのは難しいでしょう。

骨盤の安定をしっかりと安定させるのが主な役割だと思います。

 

大内転筋の停止は二股になっており、浅部(腱性の停止部)は大腿骨の少し前方に付着しています。

このおかげで、わずかですが内旋の作用を持ち、歩行時に股関節が外旋するのを防ぎ、まっすぐ脚を動かすことを助けてくれます。

特に、脚を後ろに蹴ったときには、臀筋の影響で股関節が外旋しやすいので、大内転筋は重要と思います。

 

大内転筋は内転筋群でも深層のほうに位置しており、前から見ると、表層の内転筋群に包み込まれるようになってます。

小内転筋(Adductor minimus)

起始

恥骨下枝

停止

粗線の内側唇

作用

股関節の内転、外旋、わずかな屈曲

神経支配

閉鎖神経(L2~L4)

コメント

大内転筋の起始部における分離筋です。

解剖学の本によっては、小内転筋の説明がすっぱりとない場合もあります。

大内転筋の最深部のような存在が小内転筋なのでしょうか。

今後勉強しておきます。

薄筋(Gracilis)

起始

恥骨結合下方の恥骨下枝

停止

脛骨粗面内側に鵞足(浅鵞足)となり付着(縫工筋と半腱様筋の停止腱と合体)

作用

・股関節:内転と屈曲
・膝関節:屈曲と内旋

神経支配

閉鎖神経(L2~L4)

コメント

膝関節を超える唯一の内転筋です。

大内転筋とともに、股関節内旋の作用を持つ内転筋でもあります。

 

薄筋は名前の通り薄い膜のような筋肉で、太腿の内側つつみこんで筋肉が振り回されないようにしてくれているのでしょう。

このあたりについての話は、縫工筋のところでお伝えしています。

内転筋群についてのコメント

内転筋群の特徴は、恥骨や座骨を中心に大腿骨に向かってカーテンのように広がって付着しています。

これにより、股関節がどのような角度にいっても、脚を元の位置に戻す、内転させる力を発揮することができます。

 

また、骨盤を安定させることに強く働き、片足立ちになってもバランスを保つのに貢献しています。

片足立ちで内腿に力が入ると安定するのは実感としてもあります。

実感ついででいうと、股関節外旋よりも、内旋させたときに内転筋群がよく使われている感覚があります。

 

僕のイメージでは、内転筋は2足で脚をまっすぐ向けて立ち、股関節が内外旋に動かされないように逆向きの力を与え、まっすぐ脚を前に向けたまま歩くことに作用しているのかなと思います。

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