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身体の使い方・姿勢について

力の集中と負担の分散~力の合成と分解~

「力」とは何かについて、以前の記事で書きました。

おさらいしておくと、

物理の世界でいう「力」とは、

物体を変形させるはたらきをするもの(原因となるもの)、あるいは、物体の運動の状態を変化させるはたらきをするもの(原因となるもの)をいいます。

そして、力には3つの要素があり、

作用点

力の大きさ

力の方向

だということをお伝えしました。

今回は、以上を踏まえ、この力に対する知識をどう活かしていくか、力をどのように考えていくかについてお伝えします。

例えば、あなたが高いところからジャンプして着地することを考えてみてください。

まず考える必要があるのが、着地時にどのような力があなたにかかるでしょうか。

高いところから落下するということは、地面方向に向かって加速していきながら着地することになります。

すると、重力によって加速された体重が、地面に対して力を与えることになります。

加速しているということは、着地時に体重以上の力が反作用として返ってくることになります。

その反作用の力をまともに受けてしまえば、身体にかかる負担は大きなものになります。

気を付けの状態でそのまま着地すれば、足裏から骨を伝って衝撃は全身に伝播します。

なので、少しでも負担を軽減するためになにかしら行動したほうが良さそうです。

そこで、この地面に落下する力を小さくする方法を考えます。

1つの方法としては、着地の瞬間に膝と股関節を柔らかく曲げて着地することです。

そのような着地をすると、上半身の落下する力が、下半身の筋肉を伸ばさせる力として使われます。

結果として、地面に対して与える力も小さくなり、反作用も小さくなります。

もう1つの方法は、着地の瞬間に転がることです。

転がることで、本来地面に与えるはずだった落下する力の一部を転がる力に転嫁します。

そうすることで、地面に対して与える力は小さくなり、結果、身体に返ってくる反作用も小さくなります。

このように、負担を分散させるには、ある方向に向いている力の矢印を複数方向に分ける必要があります。

このように、 1つの点にはたらく1つの力を、同じはたらきをする複数の力に分けること物理学の世界では力の分解と呼んでいます。

そして、分解された力を分力と呼んだりします。

機械が分解できれば組み立てられるように、力も、分解があるならば組み立てることもあります。

力の分解とは、逆に

複数の力を組み合わせることを力の合成と呼びます。

合成された力を合力といいます。

さて、ややこしくなってきました。

僕も苦手な分野です。

中学校くらいに戻ったつもりで、力の合成と分解について復習しましょう。

張力とは、糸が引っ張られたときに、ちぎれまいとして生じる力のことをいいましたね。

力の合成では、3つの場合わけができます。

・複数の力の向きが同一直線上にあって、力の向きが同じ場合

・複数の力の向きが同一直線上にあって、力の向きが逆の場合

・複数の力の向きが同一直線上にない場合

力の向きが同一直線上にあり、力の向きが同じ場合は、単純に同じ向きの力が足されることになります。

上の画像の左側にある図では、2つの重りの重力方向は同一直線上で同じ向きになるので、2つの重りで糸を引っ張っていることになります。

なので、合力(力D)は、単純にそれぞれの重りに対してかかる重力を足したものになっています。

そして、糸の張力は、力Dに対して同一直線上で逆向きの力になっています。

この場合は、大きい方の力の強さから、小さい方の力の強さを引いて、大きい方の力の向きで、残った力の強さをもった力が合力になります。

ただし、張力は負荷に対する反作用なので、負荷と同じで逆向きの強さの力になります。

図では、重りの重力の合力(力D)の反作用である張力(力C)は同じ強さなので、違いに打ち消しあう形となり、その合力は0になります。

このように、合力が0の場合を力が「つりあっている」状態といいます。

まだ、力の方向が同一直線上にある場合はわかりやすいですよね。

問題は、力の方向が同一直線上にない場合です。

実は、この場合の力の導き方は法則化されていて、簡単に考えることができます。

その法則は平行四辺形の法則と呼ばれるものです。

平行四辺形の法則とは、1つの点から作用する2つの力は、その2つの力を2辺とする平行四辺形の対角線で表される1つの力に置き換えることができるとする法則です。

この法則はアイザック・ニュートンが発見したそうです。ニュートンすごいですね。

 

上の画像の上図のように、重りを2本の糸で吊るした場合、力の向きは同一直線上には存在しえません。

この場合でも、2本の糸の張力がわかっていれば、平行四辺形の法則により、合力を導き出すことができます。

力の分解は、力の合成とは真逆の考え方です。

合力を、元々の力の向きである複数の力に分割すれば、力の分解になります。

上の画像でいえば、力Aから、それぞれの糸の張力を考えることが力の分解であるといえます。

実際の身体の使い方では、必要となる力はどのように合成していくか(力の集中)ということと、負担となる力をどのように分解していくか(負担の分散)になります。

すなわち、今まで見てきた図で考えれば、重りを吊るす糸が増えれば、糸1本にかかる負担(張力)は減るので、糸を増やすことができないかと考えるのが負担の分散であり、

あるいは、糸を引きちぎるために、重りの重力方向と同じ方向に手で力を加えたりすることが力の集中です。

最初の、高いところの着地からいえば、ただ着地するだけだと、重で加速した体重分の力をそのまま地面に与え、反作用として同じ力を受け取ってしまうところを、

前方に転がることで、その力を前方方向と下方向の力に分解し、反作用として身体が受ける力を減らしているのです。

 

身体の使い方や姿勢を考える場合、

発生するであろう力の強さや向きを考え、

筋肉の収縮により力を集中できないか、あるいは、負担の分散はできないかを考えることで、最善であると思われる姿勢や動作が導きだされてきます。

もちろん、力の合成や分解のみについて考えるわけではなく、骨を利用すれば、筋力を節約できるかもしれませんし、身体の姿勢の形状によっても、力の流れは変化したりします。

着地の際に、身体を丸くできなければ転がることはできませんからね。

そのように、総合的に「力」について考えていくことが、Clever Body Trainingの肝となる部分です。

トレーニングである重さのバーベルが上がらない=筋力が足りない

というわけではないのです。

筋力の強さは最終段階です。

筋力の強さ以外で対処してみた上で、それでも挙がらない場合に、ようやく筋力不足であると結論づけることができます。

以外と、ちょっとした足の位置の違いだったり、動かす方向の違いで、発揮できる力が大きく変わったりします。

筋肉の力を向上させようと思ったら時間がかかりますが、力の方向を修正することなら一瞬でできますからね。

以上を見て、少しでも力について学ぼうと思ってもらえたらこの記事を書いたかいがありますね。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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