身体について

土踏まずはなぜあるのか?

人体は骨の積み木であり、積み木の一番底にあたる部分は、もちろん足裏です。

立っているときには、足裏しか地面についていません。

そう思うと、足裏は平らであるほうが、接地面積が大きくなり、身体が安定するように思いませんか?

それにもかかわらず、足裏は平らではなく、凹凸があります。

その凹凸の中でも、特に大きく目立つのが土踏まずです。

今回は、土踏まずの存在理由について考えてみます。

足裏の構造を見てみると、足裏は土踏まずだけでなく、骨の配置によって、縦方向と横方向にそれぞれゆるやかなアーチを形成しています。

その中でも、やはり土踏まずが1番大きいことが、構造からもわかります。

そして、縦アーチの端と端を覆うように、足底腱膜が結んでいます。

図にはありませんが、足底腱膜だけでなく、足裏の中では大きな筋肉がアーチの端と端を結ぶように付着しています。

この足底腱膜と筋肉が縮む力が常に働いて、骨のアーチ形状をより強固なものにしています。

この構造、実はある物の構造に少し似ています。

そのある物とは、トランポリンです。

トランポリンにもいろいろな形のものがありますが、共通点があります。

それは、まず「枠」があって、その中に丈夫で伸縮性のある「弾性生地」(物によっては生地と枠の間がバネで繋がっているものもある)が張ってあり、枠あるいは枠の周囲に地面に向かって「支柱」が伸びています。そして、支柱のおかげで生地の下にはぽっかりと空間が存在します。

トランポリンでジャンプするとき、着地者の衝撃の力で弾性生地が伸ばされて沈みこみ、空間が狭くなります。そうやって着地の衝撃を弾性生地に吸収させ、和らげています。

だからこそ、トランポリンで通常では跳べないような高さから着地しても、跳んでいる人がケガをせずに済みます。

ただし、もしトランポリンの下に空間がなければ、たとえ弾性生地の上に着地しても沈みこむスペースがなく地面に激突し、着地の衝撃が着地者を直撃します。

沈みこむスペースのないトランポリンは見たことないでしょ?

着地した後は、弾性生地が元の形に戻ろうとして縮み、跳んでいる人を再び跳ね上げ、やがてトランポリンは元の形に戻ります。

足裏においては、足底筋膜や筋肉が「弾性生地」の役割を果たします。

そして、足裏はアーチ構造になっているので、空間もありますね。

この弾性と空間の存在が、トランポリンと足裏の共通点です。

しかし、構造が少し違います。

トランポリンでは、枠と支柱は動かないものとして、弾性生地を固定していました。

一方、足裏では骨で組み立てられたアーチ自体が枠であり支柱でもあります。

しかも、この枠兼支柱は動きます。

また、トランポリンでは、トランポリンと飛び跳ねる人は別ですが、足裏では、トランポリン構造の足裏自体が、飛び跳ねる人でもあります。
足裏の凹凸は身体にかかる衝撃を吸収のために存在するですね。
トランポリンでは、高く飛ぶという目的もあります。
一方、足裏の構造には高く飛ぶという役割はほとんどないです。
それは、足裏の衝撃吸収方法を比較するとわかります。

図を見ると、衝撃吸収方法が、トランポリンは垂直方向のままであるのに対し、足裏の衝撃の吸収方法は、アーチ下の空間を活用してアーチ自体を水平方向に広げ、それに伴って足底腱膜・筋肉が伸びて衝撃を吸収するというものになっています。

なので、弾性生地が元に戻るにしたがって、トランポリンは上方に向かって力を発揮するので、弾性生地に乗っている者に上方へ跳ぶ力を与えるのに対し、足裏はアーチの内側に向かって戻るのみなのです。

ここまでで、足裏の凹凸は衝撃吸収のために存在していることがわかってもらえたと思います。

もし、足裏が平坦で凹凸がなかった場合、空間が全くない状態なので、筋肉があったとしても、衝撃が吸収できず、衝撃は身体全体を駆け巡ることでしょう。

ただ、これで足裏が凹凸である理由はわかったものの、土踏まずが凹凸の中でも大きく目立つ理由というには足りません。

改めて、足の構造を見ると、足裏のアーチは、母趾球から踵にかけての内側縦アーチ(土踏まず)、小趾球から踵にかけての外側縦アーチ、母趾球から小趾球にかけての横アーチの3つに大きく分類されていました。

足は縦に長く、それに比べて横幅狭いので、横アーチが小さいのは理解できるでしょう。

足が縦に長い理由は、2本脚が左右に並んでいることで、左右に関するバランスはカバーされているからでしょう。

しかし、土踏まずと外側縦アーチは同じくらいの大きさでも構わないはずです。

では、土踏まずのアーチ(内側縦アーチ)が1番大きいのはなぜでしょうか。

それは、身体の構造を見てもらえば一目瞭然です。

図は、身体の左半身、つまり、左足裏が支えるであろう部分を抜き出しました。

そして、左足裏を内側と外側に分断するように縦線を引きました。

図にある通り、縦線より左側の部分が、左足裏内側によって支えられるであろうおおよその部分、縦線より右側の部分が、左足裏外側によって支えられるであろうおおよその部分です。

この図を見てもらうとわかる通り、足裏内側の支える部分には、頭部、胴体中心部、脚部内側など身体の中でも比較的重いものが集まっているのに対し、足裏外側の支える部分は、胴体・脚部の外側と腕です。

つまり、足裏では、外側よりも内側のほうが体重をより支えているということがわかります。

重さが重いほど、かかる衝撃が強いであろうことは、想像できると思います。

子供と力士が同じ高さから飛び降りるとしたときの着地時の衝撃をイメージしてもらえれば、想像つくかと思います。

だからこそ、身体の重い部分から生じるであろう強い衝撃に耐えるため、内側縦アーチである土踏まずが3つのアーチの中で最も大きなアーチとなっているのです。

このことを考えると、立って行うとトレーニングの際、足裏の内側より外側に重さがかかるということは、きちんと足裏が地面に設置しておらず、力を伝えきれてない可能性が考えられます。

本質的な姿勢改善をするなら考え方から見直しましょう

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