僕が見させていただいてきたお客さんにも、膝の痛みで悩んでいる人は多いです。
特に高齢の方は多いですね。
「周りにそんな人いない」と思われる人もいるかもしれませんが、あまり人には言わないだけで、膝の痛みに悩んでいる人は多いのです。
テレビでもよく「コンドロイチン」を含んだサプリのCMもよく流れていますしね。
売れるから、売れる確信があるから広告費を使って宣伝するわけですから。
さて、膝の痛みについては、膝周りの筋肉が弱まっているせいだと思っていませんか?
病院や整骨院などにいけば、口裏を合わせているかのように「筋肉が弱っているから」と膝周りの筋力トレーニングを勧めてきますもんね。
もちろん、筋力の低下が痛みの一因であることが間違いであるわけではありません。
筋肉がないよりあったほうが膝をしっかり支持できるのは間違いないですから。
ただ、膝の痛みのほとんどは、膝に負担が集中する、膝周りの筋肉のバランスが悪いこと、身体の使い方が適切でないことが原因です。
今挙げたこれらの話は別個の要因ではなく、それぞれ関連性を持っています。
膝周りの筋肉のバランスがなぜ悪くなるかといえば、骨で支えられていないからというのが大半です。
脛の骨に対して太腿の骨がきちんと積みあがっていないのです。
これは、身体の使い方、姿勢の問題でもあります。
どうすれば脛の骨に対して太ももの骨が積み上がってくるかというと、
膝が伸ばすことです。
なので、膝が伸びるようになれば、骨が積み上がり、痛みが軽減されてきます。
「なあんだ、そんなことで」
と思われるかもしれませんが、ただ膝を伸ばすといっても簡単ではないかもしれません。
私のお客様の中で、膝が痛いことがきっかけでパーソナルセッションを受けていただいているお客様が何人かいらっしゃいます。
その全員が、膝が伸びないのです。
伸ばしたくても伸ばせないのです。
それも、左右の脚で比べて痛むほうの脚が伸びません。
膝関節はドアの開閉をしている蝶番(ちょうつがい)のような機能を果たしています。
蝶番はきちんと噛み合っているからこそスムーズに動いてくれますが、噛み合わせが悪いと、引っかかりが生じたり、動かなくなったりしてしまいます。
もちろん、このことは膝関節でも同じです。
そこで、膝が伸びるようにセッションをしていったところ、その全員が痛みが減ったことを実感されました。
膝関節の噛み合わせを改善していくことによって、膝が少しでも伸びるようにしていったのです。
その結果、膝の痛みが取れたことによって、歩くのがおっくうになっていた人も、今ではウォーキングを欠かさないようになったとのことです。
膝が伸びているかを知るひとつの手段として、壁を背にして、壁にかかとをつけて立ち、ふくらはぎが壁につくかどうかチェックするという方法があります。
ただふくらはぎの太さに左右される部分もあるので、あくまで目安ではありますが。
ぜひ、あなたも一度チェックしてみてください。
ちなみに、「膝が伸びると痛みがおさまる」なんていうと、極端にとらえて「とにかく膝を伸ばそう」という人がたまにいます。
もちろん、膝が伸びていた方がいいのですが、それは上でもお伝えした通り、脛の骨の上に太ももの骨を乗せることができるからです。
骨を乗せることができると、骨で支えることができ、筋肉の負担が減ります。
もし、膝をいっぱいいっぱい伸ばしてしまうと、その「骨による支え」ではなく、結局筋肉を稼働させてしまうことになります。
ややこしいかもしれませんが、「なぜ膝を伸ばすと痛みが減るのか?」という理由については見逃さないようにしてください。