姿勢や身体の使い方に興味をもち、
勉強しようと思った時に、
最初に立ちはだかる壁が
解剖学の用語だと思います。
難しい言い方しますよね。
聞きなれない言葉が次々と出てきて
混乱してしまい、
勉強するのを諦めてしまっては
もったいないです。
それに、定義を共有することが
物事を理解するための第一歩です。
定義がずれてしまうと、
理解もずれてしまいます。
そこで、今回は基本的な
解剖学の用語についてご紹介します。
ここがわかれば大きく誤った
理解をすることはなくなるでしょう。
解剖学的肢位(解剖学的正位)
解剖学的肢位(解剖学的正位)とは、
身体の動きを考える上で
基準となる姿勢のことです。
特に指摘がなければ、
この姿勢を元に身体の動きを
表現していると考えていいでしょう。
ほぼ普通に立った状態と同じなので、
全くわからないってことはないと思います。
ただ、注意したいのが、
手のひらを前に向けた
姿勢が基準となっていることです。
なぜそうなっているかについては、
正直僕にもわかりません。
ただ、手のひらを前に向けること
によって、肘が後方を向くので、
腕の動きが表現しやすいのかな
と考えています。
もしわかる人がいたら
教えてください。
動きの表現
運動面
関節の運動が、
どの面で動くかという話です。
先の図にも出てたので、
イメージはできるかと思います。
次に出てくる軸とごっちゃに
ならないように注意しましょう。
僕もごっちゃになってた
ことがあるから言っときます(笑)
矢状面(しじょうめん)
人体を左右に分ける垂直面を
矢状面といいます。
特に左右を均等に二分する面を
正中矢状面、
あるいは単に正中面といいます。
なので、正中矢状面は
1つしか存在しません。
正中矢状面に対して平行に
無数の矢状面があり、
これを傍矢状面と
呼ぶこともあります。
矢状面の動きとしては、
例えば、解剖学的肢位のまま
肘を曲げ伸ばしするのは
矢状面の動きです。
腕が矢状面にそって
動きますよね。
前額面(ぜんがくめん、前頭面)
人体を前後に分ける
垂直面のことを前額面と
いいます。
冠状面と呼ぶことも
あります。
動きとしては、
解剖学的肢位から、
脚を外に開いたり
内に閉じたりする動きは
前額面の動きです。
水平面
人体を上下に分ける面のことを
水平面といいます。
横断面と呼ばれること
もあります。
動きとしては、
解剖学的肢位から、
腰をひねる動きは
水平面状の動きです。
運動軸
関節の動きは基本的に
回転運動します。
参考記事「身体の動きは回転運動〜力を無駄なく伝えるために考えるべきこと〜」
回転運動っていうのは、物体が、
ある点を中心としてあるいは
直線を軸として、あるいは別の物体の
周りを回る運動のことをいいます。
例えばコマをイメージして
もらうとわかりやすいです。
僕が小学生くらいの頃に
使ったことがあるコマは、
真ん中に鉄の棒が
入った木のコマでした。
一時期めちゃくちゃ
ハマってたのを覚えてます。
コマは、鉄の棒を中心にして
回転しますよね。
この鉄の棒が軸です。
身体の動きでも
コマの回転をイメージ
できれば、軸の棒も
イメージしやすいと思います。
さっきも言いましたが、
面と軸がごっちゃにならない
ように注意してくださいね。
コマの軸をイメージして、
軸の伸びる方向が解剖学の「軸」の話、
コマの回る方向の話が「面」の話
と考えてもらったらごっちゃに
なりにくいでしょう。。
前額軸(前頭軸)
人体の左右方向の軸のことを
前額軸といいます。
この軸を中心に身体の一部が回転すると、
その動きは矢状面上で生じます。
例えば、解剖学的肢位のまま
肘を曲げ伸ばしするのは
矢状面の動きでしたが、
軸は前額軸の動きです。
矢状軸
人体の前後方向の軸
のことを矢状軸といいます。
この軸を中心に身体の一部が回転すると、
その動きは前額面(前頭面)上で生じます。
動きとしては、
解剖学的肢位から、
脚を外に開いたり
内に閉じたりする動きは
前額面の動きでしたが、
軸としては
矢状軸の動きです。
垂直軸
人体の上下方向の軸のことを
垂直軸といいます。
この軸を中心に身体の一部が回転すると、
その動きは水平面上で生じます。
これはまさにコマそのものの軸
と同じですね。
動きとしては、
解剖学的肢位から、
腰をひねる動きは
水平面状の動きでしたが、
軸では垂直軸の動きです。
関節運動に関する用語
屈曲と伸展
屈曲とは隣接する部位が近づき、
互いのなす角度が小さくなる
運動のことをいいます。
例えば、肘を曲げるのは
肘関節の屈曲といいますね。
肘の角度が小さくなっています。
伸展はこの逆。
伸展は反対に隣接する部位が遠ざかり、
互いのなす角度が大きくなる
運動のことをいいます。
肘を曲げるのが屈曲なら、
肘を伸ばすのが伸展です。
これらの運動は前額軸を中心に
矢状面上で生じることが多いです。
厄介なのが、
部位によっては
呼び方が変わったりする
ことがあることです。
足関節(足首)では
屈曲を背屈(つまさきをたてる)
伸展を底屈(つま先を伸ばす)
といいます。
また、肩関節では屈曲を
前方挙上(バンザイする動き)
伸展を後方挙上
(リレーでバトンを受け取る動き)
と呼ぶことがあります。
同じ動きでも呼び方が
複数あったりするので、
混乱しないように注意してください。
外転と内転
外転とは身体の一部が
正中線から遠ざかる運動で、
反対に内転は正中線に
近づく運動をいいます。
これらの運動は矢状軸を中心に
前額面上で生じることが多いです。
例えば
脚を内に動かす動きは内転で
脚を外に動かす動きは外転です。
もちろん、呼び方が
変わる場合もあります。
肩関節では腕を外に動かす
(サイドレイズの動き)
外転を側方挙上
と呼ぶことがあります。
外旋と内旋
垂直軸を中心に水平面上で
生じる運動を回旋といいます。
回旋の中でも内と外の区別が
できる場合は、
外側に回すのを外旋、
内側に回すのを内旋といいます。
例えば、
太腿の前面
(わかりにくかったら
膝の皿でもいい)を
外方に回す運動は外旋で、
内方に回す運動を内旋といいます。
前腕(肘から先の腕)
に関しては外旋内旋という用語は使わず、
肘関節を屈曲した状態で
手掌が上を向く運動を回外
(カーブを投げる、ネジを締める)
手掌が下を向く運動を回内
(シュートを投げる、ネジを緩める)
といいます。
回内回外は部位によって
わかりにくいので、
よく確認するように
してください。
分回し運動
分回し運動とは、
屈曲、伸展、外転、内転の組み合わせに
よって生じる動きのことをいい、
遠位部が円を描くような動きをすることから
描円運動と呼ぶこともあります。
ただ、あまり聞いたことないので、
分回し運動を覚えておけばいいです。
例えば肩関節をぐるぐる回すような
動きがこれにあたります。
その他の動き
上に挙げた動きの他、
身体各部位特有の運動があります。
例えば、肩関節では90 °外転位で
上腕の前方への運動を水平屈曲といい、
後方への運動を水平伸展といいます。
わかりやすくいえば
腕を肩の高さまで挙げたまま
屈曲・伸展する動きです。
また、
足部では回内、外転、背屈が組み合わさり、
足底が外を向く運動を外がえし、
回外、内転、底屈が組み合わさり、
足底が内を向く運動を内がえしといいます。
足関節の動きは、
実は複数の関節のによって
なされているために、
ちょっと複雑なことに
なってます。
ちなみに、外反、内反という言葉は
一般に足部の変形を表しており、
正式な関節運動を表す用語としては
使いません(たとえば外反母趾)。
方向あるいは相対的位置関係を表す用語
なんとなくわかるかも
しれませんが、
独特な表現をしていたり
もするので、ここで紹介
しておきます。
わからないと
伝えられている動きと
あなたのイメージに違いが
出てしまったりしますからね。
基準は解剖学的肢位なので、
腕まわりは混乱しないように
注意してくださいね。
・上方(頭方)…より頭に近い位置を示します。
・下方(尾側)…より頭から遠い位置を示します。
・内側(ないそく)…より正中矢状面に近い位置を示します。前腕では尺(しゃく)側,下腿では脛(けい)側と呼ぶこともあります。
・外側(がいそく)…より正中矢状面から遠い位置を示します。前腕では橈(とう)側,下腿では腓(ひ)側と呼ぶこともあります。
・前方(腹側)…より人体の前面に近い位置を示します。
・後方(背側)…より人体の後面に近い位置を示します。
・近位…四肢で用いられ、より体幹(両肩、両股関節を角にした、腹、胸などの手足とつながる体の幹となる部分をいう)に近い位置を示します。
・遠位…四肢で用いられ、より体幹から遠い位置を示します。
・浅…より人体の表面に近い位置を示します。
・深…より人体の表面から遠い(深い)位置を示します。
解剖学でよく使われる漢字
解剖学を勉強する中では、
あまり見かけない漢字が出てきたり、
見知っていても普段と違うような
使われ方をすることがあります。
これがわかっていないと、
解剖学が正しく理解できません。
そこで、解剖学でよく見る漢字
をいくつか挙げました。
身体の組織の名前は、
この漢字の意味に沿って
名付けられていたりします。
なので、漢字の意味がわかっていると、
名前を聞いただけで、
おおまかな形が想像できるし
なんとなくの位置関係がわかったりするし
便利です。
・体(たい)
…骨または器官における中央付近の主要部分。
・頭(とう)
…骨などの端の丸く大きくなった部分。頭の小さいものは「小頭」という。
・頚(けい)
…他よりくびれて細くなっているところ。
・尖(せん)
…器官の尖端(先端)部。
・底(てい)
…器官の下面に近い広い部分。
・面(めん)
…器官の表面。
・縁(えん)
…2つの面が交わる線。
・壁(へき)
…空洞を囲む線。
・葉(よう)
…器官を大きく区分したときの各部
・門(もん)
…表面の一部で脈管、神経などが出入りするところ。
・突起(とっき)
…骨あるいは内臓などで表面から突き出している部分。
・顆(か)
…先端の丸みをおびた(肥厚している)突起部
・結節(けっせつ)
…周囲から比較的はっきりと区分された肥厚部。
・隆起(りゅうき)
…骨の小さい突出部。
・粗面(そめん)
…骨のザラザラした面で、通常は筋肉が付着する。
・棘(きょく)
…バラのとげのような小さい突出部。
・稜(りょう)
…山の斜面のように比較的長く伸びた隆起。
・乳頭(にゅうとう)
…乳首状の突出部で、軟部組織に用いられることが多い。
・窩(か)
…表面から陥凹している(へこんでいる)場所。
・切痕(せっこん)
…骨または器官の刀でえぐったような部分。
・裂(れつ)
…裂け目のような狭い隙間。
・溝(こう)
…細長い陥凹部。溝状になった部分。
・孔(こう)
…穴。骨にも軟部組織にも使われる。
・管(かん)
…孔の長くなったもので、骨にも軟部組織にも用いられる。
・道(どう)
…管の太いもの、または周囲から多少隔てられた通路。
・洞(どう)
…広い空洞の意味。
・腔(くう)
…体内にある空間または室。
・前庭(ぜんてい)
…玄関の意味で、腔室の手前にある室。
・線(せん)
…線状になっている部分で、骨にも軟部組織にもみられる。
・弓(きゅう)
…弓の形のように曲がっている部分。
・輪(りん)
…輪のようになった部分で、いろいろなものに用いられる。
・角(かく)
…角になった部分、または2つの線が交差した部分。
・枝(し)
…枝分かれした部分。普通、脈管、神経などに用いる。
・叢(そう)
…多くの線状のものが交錯した部分。
いかがだったでしょうか?
このページでお伝えしたことを
理解していれば、
かなり解剖学に取り組むハードル
が下がりますし、
勉強効率も上がります。
忘れた時は何度もこのページを
見返して確認してみてくださいね。
本質的な姿勢改善をするなら考え方から見直しましょう
記事を読んでいただいてありがとうございます。
僕は【身体と心を「楽」にして人生をより快適する】
ということをテーマに情報発信しています。
姿勢は、生まれてから死ぬまで365日24時間
ずっと関わることになるものです。
なので、その積み重ねの影響力は大きいものです。
姿勢次第で自分の身体に枷をかけ
身体の動きを抑え込んでしまったり
身体を痛めてしまうことがあれば、
意識せず自分自身を抑え込んでいる
枷から自分を解放し
身体を軽やかに痛みなく
思い通りに動かせることになります。
身体と心はつながっていて
不可分な関係なので、
身体の調子が悪ければ
心も当然暗くふさぎ込んで
しまうことになるし、
調子が良ければ明るく
前向きになってきます。
つまり、姿勢を改善することは、
最も簡単で確実な自己改善法なのです。
しかし、姿勢について学ぶ機会はほぼなく、
「なんとなくこうだろう」という
常識で固められてしまっています。
そのため、姿勢を良くしようと
努力しているにもかかわらず
姿勢が一向に良くならないという
状態になってしまっていることを
よく聞きます。
根本から姿勢改善するためには、
この常識から抜け出さなくては
なりません。
姿勢改善に必要なのは
「背筋を伸ばすこと」でも
「胸を張ること」でも
「筋肉をつけること」でも
「意識すること」でも
ありません。
本当に必要なのは
「姿勢の本質を理解すること」です。
そこで、僕は根本的な姿勢改善できる人
が少しでも増えるように、
姿勢の本質から理解を深め改善する方法を
電子書籍にまとめました。
本来はAmazonで有料で販売しているものですが、
メルマガの中で今だけ無料で公開しています。
図を多く取り入れていて
読みやすい内容になってますので、
もし興味あれば読んでみてください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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