バーベルバックスクワット
で負荷が増してくればくるほど
「腰が痛い」という以外に
よく聞くのが
「肩、肘、手首が痛い」
ということ。
むしろ、足腰にはまだ
余裕があるけども、
肩、肘、手首という
スクワットの主役でない
腕まわりが痛すぎて
バーベルを重くするのを
ためらう場合すらあるようです。
これはめちゃくちゃ
もったいない話ですよね。
そこで、今回は
バーベルスクワットにおける
肩、肘、手首が痛む
原因と解決策について
お伝えしていきます。
肩・肘・手首といった腕まわりが痛くなる2つの原因
結論からいえば、腕まわりの
負荷が強くなっているからです。
本来、体幹部や下半身に
よって受け止めるべき
バーベルの重さという負荷が
肩・肘・手首といった部位が
受け止めてしまっているのです。
これらの部位は、
体幹部や下半身と違って
関係する筋肉の大きさも小さく、
少し負担が増えるだけでも
痛める危険性は格段に上がってしまいます。
なぜ本来、体幹部や下半身に
よって受け止めるべき
バーベルの重さという負荷を
肩・肘・手首といった部位が
受け止めてしまっているのでしょうか?
大きく2つの原因があります。
それは、
①肩回りの柔軟性が足りない
という身体の問題
②バーベルを押しているという
身体の使い方の問題
この2つです。
以下、それぞれについて
詳しくお伝えしていきます。
①肩回りの柔軟性が足りない(身体の問題)
負担が少ない理想的なバーベルの支え方
まず、①肩回りの柔軟性が
足りないについてです。
肩回りの柔軟性が低いと、
腕を後方に引くことが困難になります。
バーベルバックスクワットでは、
バーベルを身体の背面に
背負うことになります。
腕が身体の背面まで引けないということは、
それだけでバーベルを支えにくくなるのです。
下の画像を見てください。
図の赤線は背面のおおよそのライン、
黄丸は手首の位置、
緑丸は肘の位置を表しています。
身体に負担をかけずに
バーベルを支えるためには、
「骨で支える」
必要があります。
バーベルは背中に
乗っているので、
手を離せば
背面のラインに沿って
転がってきます。
なので、バーベルを
支えるためには
この転がり落ちるのを
止めればいいわけです。
バーベルが転がり落ちるのを
骨を使って支えるためには、
上図の「良い例」のように、
腕を後方に引いてくる
必要があるのですね。
手首と肘を結んだ線が、
背面のラインとおおよそ
平行に並ぶように
配置できるのが理想です(青線)。
そうすることで、
前腕(肘から先の部分)の
骨で支える力と
バーベルの負荷がかかる方向が
向かい合う形になるので、
手首に負担がかかりにくくなります。
つまり、バーベルスクワット
を腕まわりに痛みなくやろうと
思えば、
そもそも背面のラインよりも後方に
肘と手首を引いてこれる肩まわりの
柔軟性が必要になってくるのです。
肩・肘・手首に負担をかけるまずいバーベルの支え方
もし、肩まわりの柔軟性が低い場合、
手首を折り曲げることで、
バーベルを支えなければなりません。
そのような支え方では、
手首の負担が増大してしまいます。
図の「まずい例」がまさに
その典型的状態です。
もう一度
図を確認してみましょう。
まずい例の
ピンクの矢印はバーベルの重さの向き
紫の矢印は骨で支えるときの力の向きです。
まずい例では、
肘が後ろに引き切れておらず、
手首と肘を結ぶ線(青線)と
背面の線(赤線)が平行に
なっていません。
それでもなんとかバーベルを持つため、
手首は後方に折れてしまっています。
すると、バーベルの負荷(ピンク矢印)
と骨で支える力(紫矢印)がずれてしまい、
手首に大きな負担をかけてしまいます。
ちなみに、このような力のずれを
利用している道具がハサミです。
つまり、この状態になること自体が、
手首をちょん切ろうとする力をかけている
状態なのです。
手首が痛くなって
当たり前ですよね。
また、図ではわかりにくい
ですが、実はバーベルは背中
に乗せ切れていません。
だからピンクの矢印を
あえて真下に書きました。
バーベルが背中に乗っていれば、
バーベルは背中のラインに沿って
転がることになるはずですからね。
これも、手首の負担を
大きくする一因になってます。
さらに、図では表してないですが、
まずい例のようなバーベル
の支え方をしていると、
肘や肩を後方に回転させる
ような力がかかり続けることに
なり、肘や肩に負担をかけ続ける
ことになります。
わかりやすく言えば、
バーベルの重さで
肘や肩に関節技をかけている
のと同じ状態と同じです。
そのため、
肘や肩も痛めやすいのです。
①の解決策
バーベルを乗せる場所を変える
①の解決策として
最も簡単なのは、
骨で支えられるところに
バーベルを乗せるという
解決策です。
一瞬でできるのが
メリットですね。
図のまずい例でいうと、
手首(黄丸)のところに
バーベルを乗せれば
骨で支えることができ、
負担を減らせます。
ただし、根本的な
解決策ではありません。
それに、バーベルを
乗せられる背中の範囲も
首・肩に近い狭い範囲となるので、
どうしてもハイバースクワット
になってしまいます。
ローバースクワットは
できず、トレーニングの幅が
狭くなってしまいます。
ローバースクワットが
できないことは、
腰を痛める危険性
にもつながってきます。
肩まわりの柔軟性を高める
やはり根本的な解決策としては
柔軟性を高めるしかありません。
時間はかかるのが
デメリットになりますが。
スクワットで必要な
肩まわりの柔軟性を
高めるストレッチとして
スクワットラックでできる
ストレッチをご紹介します。
上の写真のように、
バーベルに手を置き、
脚の力を少しずつ抜いて、
バーベルに置いてある手のほうに
体重がかかるようにしていきます。
ポイントは、
バーベルに手を置く前に、
できるだけ肩甲骨を寄せておくことです。
肩甲骨がよっていないと、
せっかくのストレッチが
肩の前に負担をかけるだけのもの
になってしまいます。
うまくストレッチできていれば、
胸が広がり、胸の筋肉がストレッチ
されている感覚が得られるでしょう。
胸の筋肉は広いです。
手の幅を変えたり、
肘の曲げ角度を変えることで
胸の筋肉を満遍なく
伸ばしていくことができます。
無理すると肩を痛める可能性もあるので、
脚の力を抜いているときは、
本当に少しづつにしてください。
②バーベルを押している(身体の使い方の問題)
次に、②バーベルを押している
ことについてです。
そもそも、バーベルバックスクワットは
体幹部にバーベルを「乗せた」状態で
立ちしゃがみするトレーニングです。
つまり、手でバーベルを
支える本来の意味合いは
バーベルが傾かないように
バランスをとることです。
ただ、現実では手を添えていないと、
背中からお尻に向かって滑り落ちて
しまいます。
なので、手でバーベルを支えるのは
最低限バーベルを落とさずに
バランスをとる力があれば十分です。
しかし、肩・肘・手首を痛める人は
バーベルをわざわざ押してしまって
います。
意識的に重いものを
持ち上げようとしてなのか、
無意識的にバーベルを
落とさないようにするためなのか、
心情は様々あると思いますが、
バーベルをショルダープレスのように
押してしまっているのです。
バーベルを押すということは、
もちろん、肩・肘・手首に
かかる負荷が増すことになるので、
押せば押すほど、肩・肘・手首
にかかる負担は増えていくし
比例して危険性も増えていきます。
解決策
バーベルを押してしまうのは、
ほとんど場合押していることに
気づいていないからです。
なので、この記事を読んで
「バーベルを押さないようにしよう」
と認識を変えるだけで大方
改善します。
以下の記事を読んでもらうと
参考になります。
頭ではわかっていても、
どうしても、
バーベルを押してしまう
ということも考えられます。
その場合は、
先に腕のフォームを組むように
してみてください。
スクワットでは
バーベルに背中をつけてから
手かけて手の位置を決めていくことが
多いと思います。
それをあえて、
バーベルの下に
移動する前に、
あたかもバーベルを
背負っているような
腕の状態で構えておくのです。
構えたまま
バーベルの下に潜り込んで
背中をつければ、
あなたがバーベルを
支えやすいフォームで
担ぐことができ、
バーベルを押しにくく
なります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
バーベルスクワットで
肩・肘・手首が痛いなら
肩まわりの柔軟性を高め
バーベルを押さないように
かつぐようにしましょう。
トレーニングにおいては、
筋肉を鍛えることばかり
強調されがちですが、
痛みなく安全に行える
ことが最も大事です。
怪我してトレーニングが
できなくなったら
元も子もないですからね。
あなたが痛みなく怪我なく
楽しくトレーニングできる
ことを願っています。
本質的な姿勢改善をするなら考え方から見直しましょう
記事を読んでいただいてありがとうございます。
僕は【身体と心を「楽」にして人生をより快適する】
ということをテーマに情報発信しています。
姿勢は、生まれてから死ぬまで365日24時間
ずっと関わることになるものです。
なので、その積み重ねの影響力は大きいものです。
姿勢次第で自分の身体に枷をかけ
身体の動きを抑え込んでしまったり
身体を痛めてしまうことがあれば、
意識せず自分自身を抑え込んでいる
枷から自分を解放し
身体を軽やかに痛みなく
思い通りに動かせることになります。
身体と心はつながっていて
不可分な関係なので、
身体の調子が悪ければ
心も当然暗くふさぎ込んで
しまうことになるし、
調子が良ければ明るく
前向きになってきます。
つまり、姿勢を改善することは、
最も簡単で確実な自己改善法なのです。
しかし、姿勢について学ぶ機会はほぼなく、
「なんとなくこうだろう」という
常識で固められてしまっています。
そのため、姿勢を良くしようと
努力しているにもかかわらず
姿勢が一向に良くならないという
状態になってしまっていることを
よく聞きます。
根本から姿勢改善するためには、
この常識から抜け出さなくては
なりません。
姿勢改善に必要なのは
「背筋を伸ばすこと」でも
「胸を張ること」でも
「筋肉をつけること」でも
「意識すること」でも
ありません。
本当に必要なのは
「姿勢の本質を理解すること」です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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