多くのトレーニングでは、怪我をしないように体幹を安定させるため、また力を発揮しやすくするために、背中の筋肉を使うことがポイントになることが多いです。

体幹はなぜ強くないといけないか〜体幹を鍛える意味〜

背中の筋肉を直接意識してコントロールできるならそれが1番ですが、トレーニング動作の中で背中の筋肉をコントロールし続けるのは簡単ではありません。

そこで、ポイントとなってくるのが「肘」です。肘を動かそうとすることで、
身体の中心部が動作に使われます。

背中の筋肉も身体の中心部にあたるので、背中の筋肉を使うためには、肘を意識的に動かすことで、背中の筋肉をコントロールしやすくなります。

力を抜くためにすべきこと〜意識を変えるだけで力は抜ける〜

今回は、腕の状態によって、背中を使うための肘の動かし方が変化することをお伝えします。

腕の状態に着目して、トレーニングを振り返ってみますと、細かくみるとさまざまな状態があります。

しかし、ざっくり分けると、ショルダープレスのように耳の横に肘があるような状態「オーバーヘッド」、腕立て伏せのように腕を胸の前に出した状態「フォワードチェスト」(勝手に名付けました、間違ってたらごめんなさい))、デッドリフトのように腕を下方にぶら下げた状態「ハングアーム」(これも勝手に名付けました)に分けられます。

それぞれの状態で、背中を使うための肘の動かし方、そして背中の中でも使われる筋肉が変わるのです。

その変化の具体的な内容としては、肘の動かし方としては脇を締めるのかそうでないかの違い、一方、背中の使われる筋肉としては、肩甲骨を寄せる筋肉群なのか、肩を下げる筋肉群なのかの違いになります。

ひとつひとつ見ていきましょう。それぞれ実際にやってもらうとより理解しやすいと思います。

まず、トレーニングの中で1番多い状況であろうフォワードチェストからです。

この状態で脇を締めたり、開いたり(肘を下に向けたり上に向けたり)します。

すると、脇を締めた時には、耳と肩が離れ背中に力が入り、脇を開いた場合は肩に力が入ります。なので、フォワードチェストでは脇を締めるのが適切です。

そして、脇を締めたときに入る背中の力は、肩を下げる脇の後ろ側の膨らみの筋肉です。

次に、オーバーヘッドを見てみます。

この状態で脇を締めたり、開いたり(肘を前方に向けたり、外側に開いたり)します。

すると、脇を締めたときは、胸に軽く力が入り、背中は力が入るどころかストレッチされます。一方、脇を開いたときには、背中の力が入り、肩が後方に移動し、胸が開きます。

よって、オーバーヘッドでは、脇を開くのが適切です。

そして、このとき使われる背中の筋肉は、肩甲骨を寄せるための筋肉です。

最後に、ハングアームを見てみます。

この状態で脇を締めたり、開いたり(肘を後方に向けたり、外側に向けたり)します。

すると、脇を締めたときには、背中の力が入り、胸が開きます。一方、脇を開いたときには、胸に力が入り、背中が丸まります。

よって、ハングアームでは脇を締めるのが適切です。

そして、脇を締めたときに使われる背中の筋肉は、肩甲骨を寄せるためにはたらく筋肉です。

以上のように、脇を締めるのが適切か、脇を開くのが適切かは、腕の位置により変わります。

明確に変化があるのは、オーバーヘッドのときと、それ以外のときです。ここが、脇を開くべきかそうでないのかの分かれ目なのです。

また、腕の状態によって意識すべき背中の使い方が変わります。

例えば、フォワードチェストで脇を締めると入る背中の筋肉は肩を下げる筋肉なので、さらに背中の力を入れるために、肩甲骨を寄せる意識を持ってトレーニングをすると効率的に体幹を安定させることができます。

さて、最後に余談かもしれませんが、今回の記事の内容は、机上の勉強だけでは、気づくことができません。

解剖学の書籍では、筋肉ごとに、働き方が「作用」として記述されている場合がほとんどです。ただ、注意したいのが、このときの作用は、解剖学的肢位を基準としています。

なので、動作の中で、体勢が変われば、作用も変わるのです。作用を暗記するだけでは対応できません。

きちんと筋肉の働きを把握しようと思うなら、筋肉の起始から停止に伸びる筋肉と、その位置関係を頭でイメージできることが重要です。

イメージできていれば、たとえ体勢が変わっても、どのように筋肉が使われるかある程度推測することができます。

柔道整復師やトレーナー資格を取るためには、筋肉の名前や起始停止、作用などを覚えさせるようなのですが(僕も頑張って暗記した記憶があります)、実際には、それよりも、ざっくりでも筋肉の状態をイメージできるほうが、何倍も有用です。

もし、あなたがそのような資格を取ろうと思っているなら、筋肉の知識の暗記は試験のためと割り切り、筋肉の状態をイメージできるようにしておくほうが、後々役に立ちますよ。



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