ベンチプレスをやっていて、手首を痛めてしまったり、バーを押してあげていくうちに背中の力が抜けて、寄せていた肩甲骨が開いてしまったりということないですか?

ベンチプレスをする上で、手のどの部分にバーを乗せ、押していくかということは、身体に対する負担を考え、また、効率的に力を伝える上で、非常に重要な問題です。(肩甲骨が開いてしまうのは別の要因があるかもしれませんが。。。)

そこで、今回は、ベンチプレスでバーを押す上で手のどの部分がベストな位置になるのか考えていきたいと思います。
この点でよく見かけるのが、掌の中心に乗せるやり方です。これだと、バーの重さで手首が手の甲のほうに倒れてしまい、バーベルが手に対してかける力と、身体がバーベルに伝えようとする力がずれてしまうため、手首を痛めやすい方法になってしまいます。

赤矢印が手がバーを押す力、黒矢印がバーの重さ(バーが手を押す力)になります。

バーベルに対しては、腕の骨を介して力が伝わりますので、腕の骨がついている手首にできるだけ近い部分でバーベルを乗せることで、手首にかかる負担を減らせる上、効率的にバーベルの力を伝えることができます。

すなわち、掌底にバーベルを乗せ、天井に向かってパンチするようなイメージでバーを押す方法が、ベストな方法であると考えられます。

さらに、もっと突き詰めると、①掌底の親指に近い方で押すか、②小指に近いほうで押すかが、肘の伸びやすさ、肩甲骨を寄せ続けていられるかに関わる重要なポイントになってきます。

これについては、肘関節を90度に曲げたまま、肩関節を中心とした水平内転・外転の回転運動(前ならえしたまま掌を下に向け、肘をベンチプレスするように90度に外に曲げて固定し、そのまま肩を中心に肘を背中側に引いたり、手と手が交差するように胸の前に戻したりする、腕が常に肩の高さと同じままの水平な動きのこと)をしてみると、掌底でも小指側が先行して動くことがわかります。

なので、一見、②の小指に近いほうで押すほうがいいような気もします。僕自身も以前はそう考えていました。実際やってみると、たしかに、バーをラックから外して胸の上に構えたときに、小指側にバーの重さを乗せやすく感じます。

ところが、実際にベンチプレスを小指側で押そうとすると、肘を伸ばそうとしたときに、肘が伸びにくくなる上、肩甲骨を寄せ続けることが困難になり、胸筋にバーの重さが乗らなくなることで、結果的に肘を伸ばす二の腕の力に頼ることになり、二の腕が限界に達しやすいベンチプレスになってしまいます。

そこで、親指側で押そうとしてみると、肘が伸びやすくなるので、骨で支えやすくなる上、背中の力も入りやすくなり、肩甲骨が開きにくくなります。その結果、腕の骨を介して胸にバーの重さが伝わりやすくなるので、しっかりと胸筋が働いたベンチプレスになります。

以上をまとめると、ベンチプレスの際は、掌底のしかも親指側でバーを押すようにすると、手首を痛めにくく効率的に力を伝えるベンチプレスを行うことができます。

最後に注意点として、親指側で押すことは、小指側を浮かさなければならないわけではないということです。バーが掌底全体に乗っていても構いません。意識の問題として、親指側で押すということです。

ぜひ一度、ご自分で試して実験してみてください!

20180805追記
ベンチプレスでは掌底の親指側で押すのは、確かに背中の力は抜けにくいのですが、デメリットもあります。

あまり、親指側で押そうとしすぎてしまうと、バーベルの重さが前腕の骨ではく、手首で受け止めてしまうことになり、手首を痛める原因になってしまいます。
画像を見てもらうとわかる通り、親指の部分だけが、5本指の中で唯一手首の上から外れてしまっています。

そもそも、ベンチプレスにおいて、バーベルは常に手に乗ったままなので、バーベルを押そうとする意識は必要ないともいえます。
<参考>


であるならば、もし、小指側にバーベルの重さが乗るのであれば、無理に親指側で押そうとせずに、小指側に乗せたまま肘を曲げ伸ばししたほうが、無駄な力が入らず、手首の負担は少なくてすみます。

常に、どうすれば無駄な力が抜けるかを考えながらトレーニングすることが、より安全で強い力を発揮するためのコツです。



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