身体の使い方・姿勢について

固有受容器と身体の動き、トレーニング〜固有受容器を考える〜

僕のブログでは、「固有受容器」について調べる人が多いです。

トレーナーになるための勉強のためや、トレーニングに活かすためでしょうか?

なので、今回は固有受容器と身体動作やトレーニングとの関係性について書いていきたいと思います。

まず、固有受容器とは何か?ということが前提となるので、わからない人は以下の記事を参考にしてください。

 

記事を見るとわかるように、

筋紡錘は、筋肉の中に存在し、筋肉が伸ばされすぎたときに筋肉を収縮させるよう働きます。

 

一方、ゴルジ腱器官は、腱組織に存在し、張力がかかりすぎたとき伸ばすよう(収縮をやめる、弱める)に働きかけます。

これらを見ると、わかる人なら違和感があると思うのですが、筋紡錘の働きとゴルジ腱器官の働きは矛盾しています。

 

筋紡錘の筋肉が伸ばされすぎたときに筋肉を収縮するというのは、言いかえれば張力(弾性力)が高まりすぎた時に筋肉を収縮させるように働くといえます。

 

一方、ゴルジ腱器官は、そのまま張力がかかりすぎたとき伸ばすよう(収縮をやめる、弱める)に働きかけます。

 

つまり、どちらも、張力が強くなりすぎた時に反応しますが、対応の仕方が真逆なのです。

おそらく、この点で混乱するのではないでしょうか?

少なくとも僕は混乱しました。

 

しかし、それぞれの受容器が働く場面を考えれば、その混乱は解決することができます。

 

まず、筋紡錘について考えていきましょう。

そもそも、伸ばされたら縮むという点は、力を加えられて変形された状態から元に戻ろうとする力である弾性力そのものです。

弾性力が強くなって困っているのに、さらに収縮を強めてしまったら、余計に筋肉を損傷させてしまいそうな気がしませんか?

 

しかし、筋紡錘は、筋肉の損傷から守るためという説明がなされることが多いです。

この点に筋紡錘の働くべき場面を見出すことができます。

弾性力を発揮する弾性体、つまり筋肉は、伸ばされたところから元に戻ろうとすることで力を発揮します。

 

ただ、力を発揮できるのは、弾性体が繋がっているからです。

 

もし、筋肉がちぎれてしまえば、骨を想定通りに動かすことができません。

筋紡錘が筋肉を収縮させるのは、筋肉が変形の限界を超えて伸ばされるのを防ぐためです。

 

しかし、長時間変形の限界を超えるような負荷をかけられているのに、筋肉を収縮させるのは自らを引きちぎろうとする自殺行為になってしまいます。

つまり、筋紡錘の働く場面というのは、「瞬間的」に筋肉が許容以上の変形をしそうなときであると考えることができます。

瞬間的なことなので、正確に負荷を感知して作動を判断していたら、その間に引きちぎれてしまいます。

 

なので、筋紡錘が働く張力の閾値(筋肉が伸ばされすぎと判断するライン)は、かなり低いものに設定されていると考えられます。

そのおかげで、筋紡錘の働きは、姿勢の維持にも一役買うことになります。

眠っている時にこっくりこっくりするのは、頭が骨の積み木からずれて落ちそうになった瞬間に、筋紡錘が作用して筋肉が収縮し、元に戻そうとするからとされています。

であるならば、閾値うんぬんというラインがあるわけではなく、瞬間的に筋肉が伸ばされたほぼ全ての場合に、筋紡錘は働いているのかもしれません。

 

僕には、筋紡錘が実際に働いているかどうかを確かめる術がないので、これくらいのことしか言えません。

筋紡錘による作用は伸張反射と呼ばれます。

 

伸張反射を利用したトレーニングとして名前が挙がるのは、プライオメトリクストレーニングです。

プライオメトリクストレーニングは、瞬発的な力の発揮を高めるためのトレーニングで、代表的な動作はジャンプになります。

 

高く跳ぼうとする瞬間に、素早くしゃがみ込むという予備動作を入れることで、臀筋やハムストリング、ふくらはぎの筋肉を瞬間的に伸ばし、伸張反射を起こすことで、何もせずにジャンプした場合よりも、大きな収縮力を得ることができるとされています。

「されています」というのは、僕には確かめようがないからです。

 

伸張反射が筋肉の弾性力の補助をするように働くので、筋肉が縮もうとする感覚はかろうじてわかりますが、伸張反射によるのか、弾性力によるものなのか、判断できないからです。

プライオメトリクストレーニングのコツは、タイミングです。

 

予備動作を入れて筋肉が伸ばされてから、収縮しようとするタイミングで力を入れることができれば、相乗的に瞬間的な力は大きくなります。

このタイミングが合わなければ、ただ無駄な予備動作を入れただけになってしまいます。

 

次に、ゴルジ腱器官について考えていきましょう。

ゴルジ腱器官は、腱に存在するという点も1つのポイントになってきます。

腱というのは、筋肉と骨をつなぐ、伸び縮みしにくい組織です。

 

なぜ、腱に存在することがポイントになるかというと、多少の負荷であれば、筋肉が伸ばされることで吸収され、腱に強い張力がかかることは少ないからです。

腱に強い張力がかかるということは、筋肉は限界まで伸びきっている状態でさらに伸ばされている場面であると考えられます。

 

さらに、瞬間的な伸張に対しては、筋紡錘が対応するので、ゴルジ腱器官が反応する場面というのは、ある程度の時間、腱が伸張され続けた場合であると考えられます。

自ら張力を加えると、筋肉や腱がちぎれてしまう可能性の高い、ギリギリの状況で、苦肉の策として、筋肉や腱を弛緩させ、少しでもちぎれる可能性を小さくしようとする反射といえます。

 

このゴルジ腱器官が関連する身体動作としては、ストレッチが考えられますね。

身体を柔らかくしようとするストレッチの場合、ある程度の時間伸ばし続ける必要があります。

勢いをつけず(勢いをつけると筋紡錘が働く可能性がある)、静かに伸ばし、ある程度の時間そのまま伸ばし続けるのが良いとされています。

 

ある程度の時間は、だいたい10〜15秒以上とされる場合が多いです。

このある程度の時間が必要なのは、ゴルジ腱器官が張力を感知し、作動するために必要な時間なのではないでしょうか。

 

実際、ストレッチで時間をかけると、限度はありますが、可動域は広がってきます。

このゴルジ腱器官の作用も考慮に入れた、ストレッチのコツについては、別の記事で書いていますし、動画にもアップしています。

以上が、固有受容器である筋紡錘、ゴルジ腱器官に対する考察になります。

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