筋肉を大きくするためには身体が筋肉を増やす必要性を認識することが必要で、その必要性を認識させるには、
普段の動作以上のきつい負荷が継続的にかけられることが必要であります。
別の記事に詳しく書いています。
そして、実はこのことが姿勢とも
関係しているんです。
今回はそのことについてお伝えしていきます。
筋肉が大きくなるのに必要な過負荷と継続性は、一歩間違えれば姿勢をどんどん悪くしてしまう悪循環を生み出します。
「過負荷」というと、
自分が普段持っている力以上の力を発揮する、例えば、普段持ち上げることのできる重さよりもさらに重い重さを持たなければならないイメージがあると思います。
しかし、この「過負荷」は、小さい負荷であっても、自分の日常で使う範囲を超えて継続的に筋肉に負荷を与えた続けた場合にも成り立ちます。
過負荷は、小さな負荷であっても、持久力の限界を超えることによって、発達の必要性を身体に認識させることになるのです。
例えば、マラソン選手の身体を見ると、細い身体をしていますが、脚には立派な筋肉がついていますよね。
マラソン自体は強い力を使う競技ではありませんが、2時間以上も止まらずに走り続けるという日常ではありえないくらい持続的に負荷を与え続ける競技です。
しかも、練習でもたくさん走っている。
つまり、尋常でない継続性は、それだけで筋肉の発達の必要性を身体に迫ることになります。
この「継続」という観点からいうと、姿勢ほど継続されているものはありません。
姿勢は、生まれてから24時間365日立っていようと座っていようと寝ていようと、常に関わってきます。
姿勢が崩れた状態が継続してしまうと、筋肉の使われ方に偏りが生じてきます。
偏って必要以上に使われる筋肉は、負荷が休まずかかり続けることになって、どんどん発達しています。
一方、偏ってあまり使われなくなった筋肉は、生物としての省エネシステムによりどんどん衰えていきます。
姿勢が崩れた状態を放置してしまうと、この筋肉のアンバランスがどんどん大きくなってきてしまうのです。
そして、長い月日が流れ、あるいは、ちょっとしたきっかけで、臨界点を超えた筋肉は痛みを生じさせます。
たとえば、ビール腹のようにお腹が出ている人がいるとします。
この人は身体の前方に重いものがある状態なので、前に崩れ落ちないように、身体を反らせる後ろ側である
腰の筋肉に強い負担をかけることになります。
腰の筋肉が使われ続けて発達すると、腰の筋肉は身体を反らせようとするため、お腹を前に出してどんどん反り腰を進行させます。
お腹を引っ込める働きをする腹筋は、良い姿勢であることで使われやすい状態になるため、反り腰になって姿勢が崩れた状態のこの人の場合は、力を発揮できず、どんどん弱くなっていきます。
悪循環になってますよねー。
そして、ふと、子供に抱っこをせがまれて、何気なく抱っこしようした瞬間、腰の筋肉は耐えられる臨界点を超え、
グギッ
ミシミシ
というような音が聞こえたような気がした瞬間から痛みが走り、しばらく立つことすらままならなくなってしまいましたとさ。
いわゆるぎっくり腰ですね。
これは、かなりひどい場合の例を挙げました。
基本的には、ぎっくり腰になる前に何らかの違和感や痛みが出ているはずです。
それに気づいて、悪循環から脱出していれば、こんな事態は招かなかったのに。
この悪循環を断ち切るために必要で、誰でもできるのが「良い姿勢に戻る」ことです。
とてもシンプルでしょ。
良い姿勢に戻すことで、今まで使われていなかった筋肉が使われるようになるので、最初はしんどいかもしれません。
ただ、これも継続することで、必要な筋肉は鍛えられていきますし、必要な柔軟性も出てきて楽になってきます。
悪い姿勢は身体に良くないとわかっていても、、すぐに死ぬわけでもないし、痛みが出るわけでもないので、どうしても軽視されがちです。
痛めてから気づくのではなく、できることなら、何事もないうちに姿勢の重要性に気づいて欲しいなと願ってます。
ちなみに、腰は身体の中で特に負担がかかりやすい部位です。
その理由については以下の記事を見てもらうとして、
今回のビール腹の人の例では、日々の悪い姿勢の悪循環でぎっくり腰を引き起こした例を書きました。
悪循環によって、筋肉の臨界点を突破してしまったと。
この臨界点は、強い負荷をかけることでも突破してしまいます。
悪い姿勢のまま抱きかかえようとすると、腰の筋肉に負担が一気に集中して、それだけで臨界点を突破する場合もあります。
トレーニングで言えば、骨盤を倒せず、腰を丸めてのスクワットなんかはとっても危険です。
僕も腰は何回もやらかしてます。
重いものをもつ時はくれぐれも注意してくださいね。