身体について

胸鎖乳突筋~良い姿勢になるためのスイッチ~

胸鎖乳突筋は、これも例にもれず名前の通りの付着で、胸骨、鎖骨、乳様突起を繋いでいます。

姿勢においてとても重要な筋肉になるので、ぜひ知っておいてほしい筋肉です。

胸鎖乳突筋(Sternocleido-madtoid)

起始

・胸骨頭(sternal head):胸骨柄
・鎖骨頭(clavicular head):鎖骨の内側1/3

停止

側頭骨の乳様突起、後頭骨の上項線

作用

片側が収縮:頭を同じ側に傾ける。頭を反対側に回旋する。

両側が収縮:頭を伸展する(顎を前方に突き出すようにして後頭部を前下方に動かす)。頭が固定されている場合、呼吸(吸息)を助ける。

神経支配

副神経(第Ⅺ脳神経)、頸神経叢(C3、C4)

コメント

胸鎖乳突筋は触って確かめやすい筋肉です。

首を回旋する(顔を横に向ける)と、盛り上がってくれるんです。

例えば、左に顔を向ければ、首の前の右側が盛り上がっているのがわかると思います。

そのふくらみをたどっていくと、乳様突起まで付着しているのがわかります。

それが胸鎖乳突筋です。

前かがみになってテレビやパソコンの画面を見るなどの悪い姿勢によって短縮・弱化しやすくなります。

 

タイトルに「良い姿勢になるためのスイッチ」とありますが、これは胸鎖乳突筋に力が入ることで、骨の積み木を適切に積む良い姿勢にあるために力が入るべき筋肉たちの、力が入れやすい状態に導いてくれるのです。

姿勢や身体の使い方でもそうなのですが、細かい知識だけでなく、イメージも大事になってきます。

 

良い姿勢になるためのイメージというのは、立っている時であれば、「身体が上下に伸びるイメージ」です。

ちなみに、胸を張る、腰を反るといったような意識は、身体が上下に伸びるイメージではありません。

胸を張るとは胸を前に押し出すことだし、腰を反るのも腰を前に押し出すことになります。

つまり、上下ではなく、前に突き出すイメージになってしまっているのです。

 

身体が上下に伸びるイメージとは、例えば、頭のてっぺんと足裏が上下に離れていくイメージです。

他にも、背骨は適切に積まれたときにS字カーブを描いているんですが、このS字カーブがさらに緩いS字カーブにしていくイメージもいいと思います。

そして、そのようなイメージのひとつとして「首を長く伸ばす」というイメージがあります。

この首を長く伸ばすイメージのときに働いてくれるのが胸鎖乳突筋です。

 

首を長くするのはイメージの問題で、実際にろくろ首のようにニュルニュル伸びていくわけではありません。

首を長くしようとすると、顎が引かれ、肩が下がり、実は鎖骨が引きあがってきます。

これが胸鎖乳突筋の作用なのです。

そして、鎖骨が引きあがることにより、肋骨も引きあがり、大胸筋や僧帽筋下部などに適度な緊張が生じて胸部が縦に伸びてくれるんですよね。

そして、肋骨が引きあがったことによって、腹横筋がコルセットのように働き、腹部も上下に伸びてきます。

そうなると、足元では足裏が重たくなる感覚も感じられるはずです。

 

そのように、胸鎖乳突筋をきっかけにしていろんな部位が良い姿勢になるために働きだしてくれるんですよ。

もちろん、これらは実際にはほぼ同時に生じることなので、胸鎖乳突筋が本当にきっかけになっているかどうかは定かではありません。

 

ただ、どうしても上下に伸びるイメージがしづらい場合に、とにかく顎を引くだけでも、良い姿勢に近づくことができます。

胸鎖乳突筋は触れて固くなるのを確かめやすいし、感覚もわかりやすいので、スイッチとしての役割を果たしてもらいやすいから僕がそう呼んでいます。

もし、良い姿勢の上下に伸びるイメージがわからないという人は、とにかく顎を引いて胸鎖乳突筋に力を入れてみてください。

背中を丸めて顎があがった姿勢では胸鎖乳突筋は弱化しやすいので、胸鎖乳突筋に力を入れるだけでも、姿勢改善されてきますよ。

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僕は、どうすればもっと「楽」になるか、ずっと考えていますが、その中で「良い姿勢」でいるということは決して欠かせないものだと考えています。

なぜなら、姿勢とは365日24時間ずっと関わってくるものだからです。

つまり、もし姿勢が悪くて、一部に負担が多くかかることになれば、24時間365日負担がかかり続けることになるからです。

そうなれば、今すぐ何か起こらなかったとしても、時間が経ってから、時限爆弾が爆発するように、身体に重大な不具合を引き起こす可能性があるからです。

僕のお客さんで、最初に会ったときに僕が「このままだと将来左膝を痛めますよ」と話していたお客さんがいました。

その人は言われた当初はセールスのための脅しだと思っていたようですが、4年ほど経ったころ、本当に左膝を痛めることになってしまいました。

そこでようやく、姿勢の重要性に気づくことになるのです。

この人のように、多くの人は実際に「痛み」を受けなければ事の重大性に気づきません。

もし、早くから気づいて対処していれば、膝を痛めることもなかったかもしれません。

その対処というのが、「良い姿勢でいること」なのです。

良い姿勢を常に保つのはなんだかしんどそうで「楽」じゃないと思われるかもしれません。

でも、「楽」とは自ら作り出すものであり、何もせずにすませるというのは「楽」ではなく「堕楽(落)」です。

そして、良い姿勢は誰でも目指せるものです。

しかし、それは「良い姿勢」とは何かを理解していなければ目指せません。

姿勢改善のためにまず必要なのは「意識すること」でも「背筋を伸ばすこと」でも 「筋肉をつけること」でもありません。

最も必要なことは「姿勢を理解すること」です

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姿勢を理解して、ぜひより良い姿勢でいられるようになってください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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