良い姿勢は、骨の積み木が適切に積み上がり、足裏にもっとも荷重がかかる体勢であることは以前の記事でお伝えした通りです。
見た目上、まっすぐ立っている時は、骨の積み木が積み上がっていることがイメージしやすいと思います。
しかし、スクワットでしゃがんでいるような、まっすぐ立っていない場合や、歩いている時のように、動いているような場合の時は、骨の積み木が積み上がっていることがイメージしづらいかもしれません。
足裏に荷重がかかっている状態であれば、良い姿勢であると言えることを知っており、さらに、足裏の感覚を理解しているならば、良い姿勢をとるための必要最低限のものが揃っています。
それでもなお、まっすぐ立っている時以外で骨の積み木が積み上がっているイメージはしづらい、つまり、
なぜまっすぐ立っていないのに良い姿勢だと足裏にかかる荷重が大きくなるのか?
なぜ体勢が変わっても良い姿勢でいられるのか?
という疑問が出てくると思います。
そこで、今回は、そのあたりについて書いていきたいと思います。
冒頭で、良い姿勢は、骨の積み木が適切に積み上がり、足裏にもっとも荷重がかかる体勢であること、とお伝えしました。
ただ、足裏に荷重がかかるのは結果でしかありません。
前述で触れた記事には直接的に書いているわけではありませんが、良い姿勢とは何かという部分には触れています。
簡単にいえば、骨の積み木がずれてしまうと、積み木を止めている筋肉や靭帯の負担が増してしまうのです。
良い姿勢というものを定義するなら、骨を適切に積み上げて身体の軟組織(筋肉や靭帯など)に対する重力の影響を最小限にし、身体の一部に負担が集中しない姿勢だといえます。
僕は、良い姿勢の定義で骨を「まっすぐに積み上げる」とはしていません。
定義を見てもらえればわかりますが、「適切に積み上げて」しています。
実は、この点が、前述の疑問に大きく関わってくるところなのです。
この定義でいう「適切」とは何なのか?
ここを掘り下げていくことで、今回の疑問は解決することができます。
この記事で出した図Bは、視覚的にわかりやすいように、実は、力関係をかなり大げさにして図にしています。
図Bほどのわずかなズレならば、実際はほとんど筋肉・靭帯への負担は大きくなりません。
それはなぜか?
図Bの中で、もし筋肉・靭帯がなかったとしても、骨の積み木は崩れることなく積み上がったままだからです。
なので、1番上の積み木にかかる重力は、ほとんど下の積み木に伝わることになり、筋肉・靭帯が正しい積み方に戻そうとする力は、ほとんど働きません。
では、どのような状態になれば、筋肉・靭帯の負担が増すのでしょうか?
それは、筋肉・靭帯で止めておかなければ1番上の積み木がポロっと落ちてしまう状態です。
そうなると、筋肉・靭帯が1番上の積み木にかかる重力を支えなければならなくなるため、負担が増大します。
この1番上の積み木が、筋肉・靭帯がなかったとしてもポロっと落ちないかどうかが、この記事のタイトルにもなっている積み木のズレの許容範囲ということになります。
人間の身体は、図の積み木のように綺麗に積み上がるわけではないですが、同じことがいえます。
冒頭で紹介した別記事では、頭の位置によって足裏の感覚の変化を感じてもらうという実践を紹介しております。
この図Cの頭を垂らした状態は、頭が首元まで積まれた骨の積み木の上から頭が落ちそうになっており、主に首の後ろの筋肉が頭にかかる重力を支えている状態なのです。
なので、実際に頭を垂らしてもらうと、少し難しいかもしれませんが、首の後方の筋肉が使われている感覚を感じると思います。
この頭を垂らした状態は首の後方の筋肉に負担がかかり、首のコリの原因になってしまう姿勢ですね。
さて、ここまでで、冒頭の疑問のうちのひとつ、
なぜまっすぐ立っていないのに良い姿勢だと足裏にかかる荷重が大きくなるのか?
については、ご理解いただけたかと思います。
骨の積み木のズレが許容範囲内であれば、上の積み木にかかる重力は下の積み木に伝わることになり、結果的に、1番下の積み木の底、立っている人間でいえば、足裏に上の積み木の荷重がかかることになります。
つまり、ズレが許容範囲であれば、積み木は積まれていると言えるのです。
次に、なぜ体勢が変わっても良い姿勢でいられるのか?
という疑問について解説していきたいと思います。
図Dなんて見ると、明らかに上半身は斜めになっており、筋肉・靭帯がなければ、頭どころか背骨もポロポロと落っこちてきてしまいそうです。
それでも、足裏に感じる荷重が増す姿勢があるのです。
不思議ですね。
この疑問を考えるにあたって、先ほどの頭を垂らした状態について振り返ってみます。
図Cの頭を垂らした状態は、頭が首元まで積まれた骨の積み木の上から頭が落ちそうになっており、主に首の後ろの筋肉が頭にかかる重力を支えている状態であるということでした。
この状態は、いわば頭が落ちないように仕方なく首の後方の筋肉が「受動的に使われている」状態です。
では、図Dではどうなのか?
実は、図Dでは積み木が崩れる前に骨が積まれている状態を保持したまま、背骨同士を連結し、背骨の積み木が崩れないようにするために、筋肉の力を「能動的に使っている」のです。
注意したいのは、ここでいう能動的・受動的というのは、意識的か無意識的かで区別されているわけではありません。
筋肉の使われ方で区別されているのです。
背骨が連結されていることで、背骨全体がひとつの積み木と同じ扱いをすることができるのです。
背骨全体がひとつの積み木として機能する場合に、背骨の下にある太ももの骨や脛の骨に対して、ズレの許容範囲の中で積み上げられていれば、当然足裏に対して背骨の荷重分がかかることになります。
背骨は、生理的湾曲と呼べれるS字カーブを形成している時に、適切に積み上げられた状態になるので、背骨のS字カーブを保つことが、足裏に荷重を伝えるために重要なことになります。
ちなみに、背骨のS字カーブを保つトレーニングが、一般的に体幹トレーニングと呼ばれるトレーニングです。
以上から、
なぜ体勢が変わっても良い姿勢でいられるのか?
という問いに対しては、骨がズレの許容範囲内で積み上がっているから、という風に答えることができます。
結局、足裏の感覚さえ気をつけていれば、今回の記事については理解していなくても問題ありませんが、理解していた方がトレーニングなどにも応用できるので、書いてみました。
トレーナーをやっていて感じるのですが、理解することの重要性は、軽くみられる傾向があります。
しかし、理解するだけでも姿勢が変わると僕は断言できます。
目指す姿勢が具体的になるからです。
この記事を読んでいただけているということは、少なからず姿勢に関心があると思われるので、ぜひこの記事で理解したことを頭の片隅に置きながら、日々過ごしてみてほしいです。
本質的な姿勢改善をするなら考え方から見直しましょう
記事を読んでいただいてありがとうございます。
僕は【身体と心を「楽」にして人生をより快適する】
ということをテーマに情報発信しています。
姿勢は、生まれてから死ぬまで365日24時間
ずっと関わることになるものです。
なので、その積み重ねの影響力は大きいものです。
姿勢次第で自分の身体に枷をかけ
身体の動きを抑え込んでしまったり
身体を痛めてしまうことがあれば、
意識せず自分自身を抑え込んでいる
枷から自分を解放し
身体を軽やかに痛みなく
思い通りに動かせることになります。
身体と心はつながっていて
不可分な関係なので、
身体の調子が悪ければ
心も当然暗くふさぎ込んで
しまうことになるし、
調子が良ければ明るく
前向きになってきます。
つまり、姿勢を改善することは、
最も簡単で確実な自己改善法なのです。
しかし、姿勢について学ぶ機会はほぼなく、
「なんとなくこうだろう」という
常識で固められてしまっています。
そのため、姿勢を良くしようと
努力しているにもかかわらず
姿勢が一向に良くならないという
状態になってしまっていることを
よく聞きます。
根本から姿勢改善するためには、
この常識から抜け出さなくては
なりません。
姿勢改善に必要なのは
「背筋を伸ばすこと」でも
「胸を張ること」でも
「筋肉をつけること」でも
「意識すること」でも
ありません。
本当に必要なのは
「姿勢の本質を理解すること」です。
そこで、僕は根本的な姿勢改善できる人
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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