身体の使い方・姿勢について

キネティックチェーン(運動連鎖)について〜オープンキネティックチェーンとクローズドキネティックチェーン〜

キネティックチェーンって聞いたことありますか?ファンクショナル(機能的)トレーニングなどと一緒によく聞かれる言葉ですね。

今回は、このキネティックチェーンについて考えていきます。

キネティックチェーンとは、一般に、さまざまな筋肉が順番に連動して動くことをいうようです。人間の体は1つの筋肉でできているわけではなく、多くの筋肉からできているので、人間が動くとき、さまざまな筋肉が協調し合って動いています。ムチのしなりをイメージしてもらうとわかりやすいかなと思います。

キネティックチェーンには、オープンキネティックチェーン(開放性運動連鎖)と、クローズドキネティックチェーン(閉鎖性運動連鎖)の2種類があるとされています。

この2種類のキネティックチェーンの定義にもさまざまな説があり、意見が分かれているようです。一般的には、オープンキネティックチェーンは、非荷重での単関節運動のこととしたり、肢体の遠位端が自由な状態で行う運動のことをいうようです。

一方、クローズドキネティックチェーンは、荷重位での多関節運動のこととしたり、肢体の遠位端の動きが自由でない(制限されている)状態で行う運動のことをいったりするようです。

手足が体重によって自由なのか不自由なのかがネーミングの由来なのでしょうか。

僕自身は、上記の定義に疑問を感じます。なぜなら、身体の「連動」についての説明になってないからです。

確かに、それぞれの運動の状況としては、間違っていないのかもしれません。しかし、どちらのキネティックチェーンであろうと、重力という荷重は常にかかっています。

そこで、僕の中が考えた2つのキネティックチェーンの定義をこの記事ではお伝えしたいと思います(このキネティックチェーンの分け方というか名づけ方に問題がある気もしなくもないですが)。

まず、オープンキネティックチェーンとは、力の連鎖が体幹からはじまる運動のことをいうと考えます。

オープンキネティックチェーンの例として、レッグエクステンションがよく挙げられているので、これを例に説明すると、レッグエクステンションでは、まず体幹の筋肉が収縮して体幹を安定させ+股関節屈筋が股関節を安定させ→これらの安定があってはじめて膝関節伸筋が収縮することによって、パッドを蹴り上げることができるのです。

体幹や股関節の安定がなければ、腰をそらすだけの運動になってしまいます。もっとざっくりいうと、体幹の固定→膝の伸展という風に力が伝わってます。体幹の固定なくして、膝の伸展力をパッドに伝えることはできません。つまり、力の連鎖のはじまりは体幹なのです。

ただ、レッグエクステンションはマシントレーニングなので、体幹や股関節の固定は、ベンチが助けてはくれますけどね。

体幹の働きについては、<体幹はなぜ強くないといけないか?〜体幹を鍛える意味〜>も参考になります。

一方、クローズドキネティックチェーンは、力の連鎖が末端からはじまる運動のことをいうと考えます。クローズドキネティックチェーンの例としては、スクワットがよく挙げられますが、スクワットは、足の裏に荷重がかかって地面と接地→膝を後方に引く→骨が骨盤を経由して体幹部を挙上させる、結果全身を地面から離すことができるのです。

もっとわかりやすい例でいうと、懸垂ですかね。手首の固定→肘関節屈曲→肩甲骨下方回旋+肩関節内転という風に力が連鎖、協調することによって体を引き上げることができます。もっとざっくりいうと、手、腕→体幹(体全体)の流れで力が伝わってますよね。つまり、力の連鎖のはじまりは末端なのです。

と、以上のように解釈すると、分類の難しい場合が出てきます。それが、ボールを蹴る動作とボールを投げる動作です。

とくにボールを蹴る動作は、体幹の固定から足が振られることになるので、一見してオープンキネティックチェーンに見えがちです。しかし、僕はどちらもクローズドキネティックチェーンに分類されると考えます。

理由は、どちらも、身体の末端にかかる力から連鎖がはじまるからです。

ボールを投げる動作に関しては、最初に体をひねり、振りかぶったところから、前方に体重移動して加速し、それを足で地面を踏むことで、急速にブレーキをかけ、そのブレーキが足から手の先まで伝わり、身体とつながっていないボールだけが飛んでいきます。

ボールを蹴る動作も同様に、最初に蹴り脚を振りかぶったところから、前方に体重移動して加速し、それを支持脚で地面を踏むことで、急速にブレーキをかけ、そのブレーキが足から体幹、そこから、蹴り脚にまで伝わって蹴り脚が降られ、蹴り脚がボールを打ちつけ、身体とつながっていないボールだけが飛んでいきます。

以上が僕のキネティックチェーンについての見解です。キネティックチェーンの考え方の基礎となるこちらの記事も参考にしてください。

参考で提示した記事は「動」と「静」についての記事です。キネティックチェーンなんていうと難しそうに聞こえますが、どこが静になるかの問題なんですね。

地球生きる生物にとって、重力は避けられないものです。地球上で、確固たる「静」を表しているのが、地球自身、つまり大地なんですね。床と考えてもらってもいいです。

この床に対して身体のどの部分が乗ってるかによって、運動連鎖のはじまる場所が決まってきます。

立位であれば、地に接するのは、足なので、足から運動連鎖が起こるのは当然(クローズドキネティックチェーン)ですし(以下にある写真の赤線は接地面)

座位なら骨盤(足が浮いていればオープンキネティックチェーン、そうでなければクローズド)、仰向けやうつ伏せなら、体幹から起こります(オープンキネティックチェーン)。

懸垂(チンニング)であれば、静がバーになるので、バーに乗っている手から連鎖が起こります(クローズドキネティックチェーン)。

そして、身体が空中にあるなら、1番質量が高いであろう体幹部が1番安定する、つまり「静」になるので、運動連鎖は体幹からはじまります。

以上のように理解すると、やっぱりオープンキネティックチェーンとクローズドキネティックチェーンを分ける必要性が失われますね。

なぜなら、運動連鎖を考える上で必要なのは、どこからはじまってどう連鎖していくかということです。そして、連鎖は安定してるところから力を加えたいところ、不安定なところに向かっていくだけだからです。

必要性のない分類は、余計な混乱を招く元かもしれません。

ちなみに、運動神経が悪い、運動音痴といわれる人は、このキネティックチェーンが適切でない場合が多いです。

以下の記事も読んで、力の入れ方のイメージができるようになれば、一気に運動が得意になるかもしれませんよ。

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僕は「姿勢」とは何か説明できないことに気づいてから、
ずっと「姿勢とは何か?」「本当に良い姿勢とは何か?」
考えてきました。

それは単に言葉の意味が説明できないというだけでなく、
それまでに教えられてきた「良い姿勢」というものに疑問を
持っていたからでもあります。

一般的にいわれている「良い姿勢」の判断基準としては、
「身体を横から見たときに、耳、肩、骨盤、膝、くるぶしが一直線に揃っているか?」

とか

「壁に背中をくっつけて、ふくらはぎが壁につくか、
お尻が壁につくか、腰の隙間は手がギリギリ入るくらいか、
肩は壁についているか、頭は壁についているか」

みたいな基準によって評価されていることが多いです。

そして、僕もそう教わってきました。

しかし、見た目や壁を使った評価では、
「ふくらはぎの太さ」や「お尻の大きさ」
「背骨のカーブの具合」といった
個人の体格の差も評価に影響しやすいです。

また、評価するために他人(専門家)の目が必要だったり、
鏡や壁が必要といった場所の制限も受けてしまいます。

他にも、体勢が変わると評価できないという問題もあります。

このように、一般的な姿勢評価では、正確性や簡便さに問題があり、
場所の制約も受けてしまうのですね。

姿勢は365日24時間いろんな体勢において関わってくるものです。
なので、本質的に「良い姿勢」を保つならば、

常に自分の姿勢の状態を把握し、
姿勢の崩れに気づいた時に自ら改善していける
ことが必要なのです。

良い姿勢は本来無駄な力は抜けるので「楽」なものだし、
だからこそ心も「楽」になり、

そのような落ち着いた姿が美しく映るのです。

現代社会では、例えば腰の痛みで仕事に集中できないというように、
いろいろなストレスに耐えながら仕事をしているため、
自分本来の力を発揮できている人はほんのわずかです。

姿勢が良い人が増えて、

本来の力を発揮できる人が増えれば、仕事の生産性が向上して、
世界全体の経済も向上するし、肉体や精神を病む人も少なくなり、
医療費も削減できるようになると僕は本気で思います。

良い姿勢は誰でも目指せます。

たとえ立てなくて車椅子で日常を送っている人でも、
寝たきりの人でもです。

姿勢改善のためにまず必要なのは「意識すること」でも「背筋を伸ばすこと」でも
「筋肉をつけること」でもありません。

最も大事なことは「姿勢を理解すること」です

そこで、僕は自分で姿勢改善できる人が少しでも増えるように、
姿勢を理解するための知識を電子書籍にまとめました。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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